地政学的リスクがなかったとしても原油は上昇していたのか

~他商品との比較でみる原油の価格整合性~

 先週末の11日から週明けの14日にかけて東京商品取引所の原油先物は続落したものの、翌15日は急反発し当限を除き軒並み1000円を超える上げ幅となりその後の夜間取引でも続伸、先限は一時5万0900円をつけ5万円の節目を突破した。同時に、2015年5月以来、3年ぶり高値をつけた。

 東京原油が高いのは、国際原油価格の上昇が止まないためだ。米国のWTI原油は15日に一時71.92ドルまで上昇し、わずかであるものの10日の直近高値を上抜いて3年6カ月ぶり高値を更新した。北海ブレントの中心限月も15日に79.47ドルまで上げ、同様に3年6カ月ぶりの高値圏に達した。

 中東の軍事的な脅威が広がりをみせていることから、地政学的リスクが引き続き材料視されて原油マーケットは買いが入りやすい情勢が続いている。足元は、米トランプ政権がイスラエルの米大使館のテルアビブからエルサレムへの移転を強行したことで、パレスチナ自治区で大使館移転への激しい抗議行動が起きている。このような情勢が中東地域の軍事的行動への懸念にますますつながっている。

 ただし、あまりに原油高が続いていることから、ここにきて反落を警戒する見方が広がっていることも事実。ドル建ての原油が米国価格で70ドル、欧州価格で80ドルに達したため、そろそろコスト面からの上値限界説がまことしやかに広がっている。実際、米シェールオイルの産油コストは40~70ドルだが、この上限近くに達したため、今の原油の価格水準は米国のほぼ全てのシェールオイル油田で採算に見合うため今後増産に拍車がかかる公算が強い。一方、サウジアラビアの財政が均衡となるには原油価格が70~80ドルの水準が必要だとされているが、サウジの場合においても足元の原油価格が維持された場合は財政面で健全化が計れることになる。これ以上の値上がりは求めないと考えられるため、今後は減産の動きを緩和することが考えられる。
 

 

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