海外原油の強基調続く

 イランの核合意から米国が離脱を表明して最初の週末を迎える。中東情勢が一段と緊迫化する中で、原油相場の先高期待に変わりはないだろう。

 米国によるイランへの石油に関する経済制裁は180日の猶予期間が設けられ、その後、実施される。石油や石油化学製品の取引が11月以降、禁止されるが、もともと米国とのイランの石油関連の貿易はほとんどなく、影響は極めて限定的。ただし、イランと取引している企業に対して、米政府が制裁を科す可能性も今後考えられ、市場ではイランからの原油輸出の削減につながるとみている。

 ゴールドマンサックスは、米国の離脱表明後、イランの原油生産が日量50万バレル程度は縮小すると設定し、今夏までWTIが82.50ドルまで上昇するとの見通しを明らかにしている。

 ただ、イランとの石油関連の貿易がドル決済だけではなく、ユーロ決済も実施されており、欧州や中国などは今後ともイランからの石油関連の供給を受け続けるとみられる。従って、ゴールドマンサックスの見通しの根拠はイマイチである。

 市場は警戒しているのは、原油のタイトな供給ではなく、中東の地政学リスクの高まりである。イランの最高指導者であるハメネイ師は、欧州も信用ならないとして、合意撤回を警告している。イランによる濃縮ウランの研究再開の兆しもみられる。

 このイランの動きに対して、サウジとイスラエルが神経質になっている。中東情勢のリスクを警戒する観点から、最初の週末を迎えるWTIは一段と上伸し、72ドル台に水準を切り上げることも考慮しておきたい。
 

 

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