中東のリスク要因でブルの状態が鮮明となる原油市況

 期限切れとなる5月12日の期日を前にして、米国時間の8日午後にトランプ米大統領はイランとの核合意から離脱する意向を明らかにした。このため、米国によるイランへの経済制裁が今後再開される見通しである。イランで産出された原油の取引が制限される可能性が高いことで、原油需給が一段と引き締まるとの見方が広がって市況はブルの状態が鮮明となっている。

 8日の離脱発言に至る前から、トランプ大統領はイラン核合意から離脱する意向を示していたことで、中東エリアの地政学的リスクが再び高まっていた。このため原油は急速に値上がりし、5月7日時点でWTI原油の中心限月は70ドル飛び台で取引を終え、3年6カ月ぶりに70ドルの節目を突破した。

 5月に入ってから早々に、トランプ氏が「近くイラン核合意に関する件でツイッターを通じて方針を明らかにする。離脱する方向で考えている」と事前通達していたため、マーケットは早い時期から材料として織り込んでいた。

 トランプ大統領はシナリオどおり、8日にイラン核合意からの離脱を表明したが、同日のWTI原油は大きく下落した。同日終値は69.06ドルで前日から1.67ドル下げた。一時、67.63ドルまで大きく値を崩したが、これは前日終値から4.4%もの下落率である。この動きは「噂で買われ事実で売られる」のパターンで、値位置も70ドルを突破したことで既存買い方の利益確定の売りが一斉に出たことによるもの。しかし翌9日は再び上昇に転じ、中心限月は2ドルを超える急騰となって71ドル台まで上値を追う展開となっている。
 

 

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