ドルの行方が金を占う

 昨年初めを100としたドルインデックスは先週末87.5と▲12.5%下落しているのに対し、NY金価格は115.2と+15.2%上昇している。この動きの相関係数は▲0.85と非常に高い負の相関を示している。つまりドルが高くなれば金は安くなり、ドルが安くなれば金は高くなるという関係は明白だ。それではドルは今後どうなるのであろうか?

 ドルインデックスを過去5年の年初から年末までの動きを対比下グラフで見ると、2013年、2014年2015年は各下半期でドル高になった。一方2016年、2017年は下半期でドル安になっている。昨年以来のドル安はユーロ高の反対側面であった。欧州中央銀行は今週26日木曜日理事会を開催するが、その路線は昨年来金融緩和の縮小を行っている。

 金利は依然として今回もゼロ%を維持する見込みであるが、市場では、年内後半にも金利を上げ始めると見ている。日本と同様に、いずれ景気が後退する局面での金利政策を有効にするためには、景気が良いうちにある程度金利を上げておかねば、ゼロ金利では政策の施しようがないためである。昨年の為替は、欧州もいずれ利上げするという市場の期待によりユーロがドルに対して高くなった。それがドル安の一因だったと思われる。

 しかし、今年米国金利がFOMCを開催するたびに3.5%まで金利を引き上げれば、3.5%対0~1%程度であれば、理論的にはドル高になるはずだ。為替は主に金利差で決まるためだ。逆に米国の利上げが行きつくところまで行って、その後欧州や日本の金利が上がり始めればユーロや円がドルに対して期待値によりドル安ユーロ高・円高になりやすい状況が生まれるかもしれないが、まだ先のことであろう。

 ところで、為替は金利差だけではない。為替市場はトランプ政権の財政赤字を気にするかもしれない。米議会予算局(CBO)による試算では、2018会計年度の財政赤字は8,040億ドルと、昨年6月時点の予想5,630億ドルより大幅に拡大する見通しだ。2020会計年度には、2年前倒しで大台の1兆ドルを突破する公算だという。これはドル安要因となる。それによって金価格は大きく影響を受けるだろう。
 

 

 

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