1年で9割も消えた過剰在庫が原油需給の健全化を示す

 本来、マーケットが需給で変動することを前提条件として、国際エネルギー機関(IEA)がまとめている需給統計を頭から信じた場合、これからの原油価格は一段と上昇が加速するに違いない。このため次の心理的な節目70ドルは通過点の一つに過ぎず、75ドル、あるいは80ドルといった上値ラインに挑戦する動きとなることも否定できない。

 IEAの月報『Oil Market Report』4月号によると、昨年の年初に3億3700万バレルもあった過剰在庫は、今年2月には3000万バレルまで激減した。ほぼ1年で3億バレル、9割ほどの過剰在庫が消えたことになる。この在庫の状況は需給が急速に健全化していることを示しており、今後、過剰在庫が枯渇に近い状態となって需給が均衡化した場合、マーケットはますます強気な状態となるはずだ。

 過剰在庫が顕著に減っているのは、OPEC加盟国と他の産油国による協調減産が予定以上のペースとなっていることが原因。特にサウジは計画された以上の減産に踏み切っている。加えて供給サイドでは先日、米英仏による空爆が行われたばかりのシリアの減産、ベネズエラの経済危機による石油経済の崩壊なども軽視できない。一方、新興国を中心とした石油需要の拡大、景気が回復基調となっている欧米先進国の消費増大など世界的な需要の増加も一因である。

 同じIEAの統計によると、2017年第3四半期、第4四半期は9800万バレル台の過去最高となり、2018年第1四半期はいったん9700万バレル台へと落ち込むものの、第2四半期以降は再び増加に転じ、2018年第4四半期は初の1億バレル突破が見込まれている。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事