2017年の韓国の金

<昨年の韓国の金需要が日本の6倍に>

 2017年の韓国の金需要は、前年比+3%増加して96トンになった。日本の金需要はWorld GoldCouncilによれば、2011年以降毎年16トン~17トンであるので、その約6倍の金需要が韓国にあることになる。北朝鮮の核ミサイル発射実験等で世間が騒然として、韓国の人々が資産を金の延棒に換えたという需要もある。ことに緊迫した4月には10~100グラムの小さな延棒が飛ぶように売れた。消費の低迷に不安を抱いた百貨店でも金の延棒を扱ったことが販売を促進した。また、工業用途としては、近年半導体用のボンディングワイヤーの需要がスマートフォーンの売れ行き好調により増加していたこともある。日本が手放した半導体事業は韓国で大きく花開いている。ただ、昨年の第1四半期は良かったが、残りの3四半期の半導体用金需要は冷え込んでいた。ボンディングワイヤーの技術開発は行き着くところまで行ってこれ以上細くできないほどになっている。韓国の工業用金需要は37.2トンと前年の34.9トンより+2.3トン、+3%増加している。

 こうした通常の要因以外に、昨年の韓国の金需要をけん引した最も大きな理由は、韓国からインドに金が輸出されたことある。韓国には金鉱山はない。いわゆる輸入品の転売、あるいは韓国民が退蔵していた金を業者が高値で買い取り輸出した。事の発端は、インドと韓国が2009年8月に包括的経済連携協定(The Comprehensive Economic Partnership or Free Trade Agreement :CEPA)を締結したことにある。そのため、韓国からインドに輸入される金塊には、通常の輸入関税10%が免税となっていた。金の輸入関税について、CEPA上に「韓国産に限る」という言葉が抜けていたからだ。インドでは物品税(Goods and Services Tax:GST)が7月1日に導入されたため、7月1日以降、インド政府が韓国からの金地金の輸入を禁止した8月25日までの間に、わずか1.5カ月の間におよそ33トンの金塊が韓国からインドに輸入された。韓国の宝石店はできるだけ多くの金を買い付け、インド向け金メダルに加工した。

 どちらの国民がこの関税の抜け穴に気づいたのかわからないが、インド人も、韓国民もしたたかな民族であることに変わりはないので、双方の知恵と言えよう。そういえば、日本に密輸入されて8%の消費税を抜き取る金塊の出処も韓国韓国から漁船に積んで日本の暴力団が買い取るものが多いという。金を巡っては、制度上の不備をついて金儲けの手段が熟慮されている。

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