金価格とプラチナ価格

 ただ、電気自動車にはバッテリーで動く電池車と水素を原料として発電しながら動く燃料電池車があり、後者には触媒または電極としてプラチナが現在の20倍を必要とするとされている。プラチナは高価格なので、代替材料の研究も行われており、今後のプラチナ需要の予測は難しい。

 いずれにせよ、現在のプラチナ市場は最悪の状態で、おそらくプラチナ価格は(確証は全くないが)自動車メーカーの息のかかったディーラーにより価格を押さえつけられ、少々の買いは売りつぶされる市場になっているのではないかと思われる。

 しかし、こうした10年~20年の長期にわたる低迷は鉱山業界にはよくあることである。プラチナには、どうしても代替材料が見つからない触媒作用(プラチナ容器を通過する気体は酸化還元反応を惹起される)を有し、石油化学工業にはなくてはならない触媒物質である。また、自動車触媒としては、ガソリンを燃焼して出る排気ガスに含まれる猛毒ガスのHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)を酸化還元反応によりCO2などに無毒化する。あるいは、高温高圧化でも性質の変わらない素材はプラチナ以外になく、ガラス工場の設備素材や高炉の温度計、また、抗ガン剤などの工業用途があり、さらにダイヤモンドの指輪の台としては、金より純白なプラチナの方がよく似合い、ブライダル需要として手堅い宝飾品需要がある。こうした需要がある限り、南アの鉱山会社は合併などで整理されることはあっても、鉱山会社がなくなることはないだろう。いずれ需給を反映した価格が形成されるものと期待したい。ただそれはかなり時間がかかることかもしれない。
 

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