原油市場の見通し

 NY原油は、1月下旬と3月下旬の高値で形成されていた上値抵抗線を今月13日に1ドルほど上回り、2月頃から形成されている「三角保合い」を上放れし始めたようにも見えます。

 イエメンやイラン、シリア情勢などの緊迫による中東の地政学的リスクの上昇が原油市場を下支え要因となっております。また、OPEC加盟国と非加盟国による減産順守率が133%まで上昇していることやイラク核合意の期限が迫ってきたことも下支え要因となっているようです。

 2015年に締結された核開発に関する「イラン核合意」により、イランへの経済制裁が解除され、イランの原油生産が急増し、翌2016年1月にNY原油が26ドル付近まで下落する場面もありました。そのイラン核合意の期限が5月12日に迫っております。

 欧州連合は4月16日、弾道ミサイル開発やシリアのアサド政権への支援を巡る新たな対イラン制裁を協議しましたが、イタリアの反対で合意に達しなかったようです。一方、トランプ大統領は、「欧州関係国がイラン核合意の欠陥修復に合意する必要があり、そうでなければ制裁を再開する。」と表明しております。

 イエメンのフーシ派は、過去3年間でイラン製とされる100発ほどの弾道ミサイルをサウジアラビアに向けて発射しました。米国はサウジアラビアを支援しているだけに、イランのミサイル開発を非難しております。また、化学兵器を使用したとされるシリアのアサド政権をイランが支援していることに対しても、米国は避難しております。イラン核合意の期限である5月12日までに欧米6カ国がどのような決断を行うのかは注目でしょう。場合によっては、米国単独でイランへの経済制裁を再開させる可能性もあります。イランへの経済制裁が再開されてイラン産原油輸出が大幅に減少する可能性もあるだけに、イラン核合意の期限である5月12日に向けて原油市場は堅調地合いを続けそうです。

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