シリア情勢の緊迫化で原油は3年4カ月ぶり高値

 4月11日の国際原油相場は大幅に続伸し、WTI原油の中心限月5月限は前日比1.31ドル高の66.82ドルで取引を終えただけでなく一時67.45ドルまで急伸した。この前日の10日も期近は2ドルを超える急騰となっていたことで相場は直近高値となっていた今年1月の66.66ドルを上抜き、2014年12月以来、3年4カ月ぶりの高値圏に達した。また同様に北海ブレントも急伸し、11日は中心限月6月が前日比1.02ドル高の72.06ドルとなり一時73.09ドルまで上値を追う展開でWTIと同様、2014年12月以来の高値をつけた。

 原油相場が大きく下値を切り上げているのは、中東情勢が緊迫しているためだ。欧州の航空管制統括機関「ユーロコントロール」が72時間以内にシリア空爆がある可能性を警告したことを受け、原油市場は中東情勢を強く意識した買いが主導する展開となっている。ユーロコントロールは10日時点で13日までに空対地あるいは巡航ミサイルが発射される可能性があるとし、無線航行機器に一時的な障害が起こる可能性を警告した。

 一方、トランプ米大統領は、化学兵器使用疑惑があるシリアに「ミサイルが来る」と11日朝にツイッターに投稿、近く軍事行動を行う考えがあることを示唆した。加えて、ロシアがシリアのアサド政権を支援していることを批判し「我々とロシアとの関係はいま、冷戦期を含んでも最悪だ」とも指摘した。なお、米海軍は駆逐艦2隻を地中海に展開させ、巡航ミサイルなどによるシリア攻撃を視野に準備を整えつつあると伝えられている。

 このように、シリアに対する軍事的な動きが風雲急を告げていることが原油マーケットに強い刺激を与え、投機的な買いが膨らむ情勢である。近年のシリアは主要な産油国ではないものの、中東は世界的な原油輸出地域であるため、中東情勢の緊迫化に伴い輸送に支障が出たり、周辺諸国にも影響が及ぶ可能性が高まることで地政学的リスクの側面から強材料視されている。
 

 

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