インフレ下のトルコで金が売れている

 昨年12月14日トルコ中央銀行は金融政策決定会合において政策金利を12.25%から12.75%に引き上げた。今時にしては高い金利である。安いトルコリラを買ってスワップポイントを得ようとする為替投資家もたくさんいるかもしれない。

 しかし、利上げにはそれなりの理由がある。まず、トルコには政治的な不安定さがある。エルドアン大統領は、2003年軍部の政治介入をやめさせてトルコを「先進的な民主国家」にするという公約を掲げ、圧倒的支持を得て首相に就任した。好調な経済に加え、中東諸国やその他の地域とも良好な外交関係を保った。この頃がエルドアンの評価が頂点に達したときである。しかし2011年の第三次内閣のあたりから、政権に批判的なジャーナリスト・政治家・企業に対しての圧力を強め、エルドアン首相の国際社会の評価は下がり始める。エルドアン首相は、2014年トルコで初めての大統領選挙を実施し、自ら大統領に就任した。それ以降独裁的な色彩を強めてトルコのイスラム化を推し進めた。世俗派の守護者を自負するトルコ軍は政教分離を重視していたため、エルドアン大統領と軍との関係は良くなかった。2016年7月、軍のクーデター未遂事件が発生している。2017年大統領権限の拡大を目的とした憲法改正を発議し、4月の国民投票において賛成多数で可決した。2015年の総選挙で敗北するまでトルコ国内に在住するクルド人に対する政策は融和的であった。しかし、危機的状況を自ら演出して民衆の支持を得る政策を採用し、エルドアン大統領はクルド人組織に対し軍事的攻撃に出た。一方米国は、イスラム国(ISIL)を討伐するためにクルド人民兵組織(YPG)を支援していたため、現在、米国とトルコは不和になっている。トルコはYPGをテロ組織とみなし、シリアのYPG拠点への越境攻撃を続けている。トルコは米兵が駐留する地域での攻撃も検討しており、現在両国軍が衝突する非常事態が懸念され始めている。

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