米中貿易戦争

<中国が米国産大豆に輸入関税> 5月4日中国は米国の関税引き上げに対抗して、大豆の輸入関税を3%から28%にすると公表した。これを聞いてずいぶん中国は思い切ったことをしたものだと驚嘆した。16/17年度の米国産大豆の輸出量5,811万トンのうち、3,614万トンと62%を中国が買っている。約3分の2が中国向けである。今年も米国産大豆の輸出は好調で、直近の成約残高は前年比2割増となっている。つまり、米国中西部の農民にとっては、中国はお得意様であり、大豆の輸出が減るのは大変困る。従って中国政府は大豆の輸入制限によりトランプ政権の急所を突いた格好となる。しかし一方で中国にとっても米国産大豆は貴重である。中国の国内需要は約1億1千万トン。そのうち国産できるのは約1,450万トンと13%しかない。87%は輸入せざるを得ない。輸入元は2011年以降ブラジルが米国を抜いて首位となっており、16/17年度はブラジル産が45%、米国産は36%である。大豆の場合トウモロコシと違ってどこの国でも作っているわけではない。輸出余力のある国はほぼ米国、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ等に限られ、南米は既に目いっぱい作っている。大豆は主に搾油されて中国の食卓には欠かせないサラダオイルとなる。また大豆粕は重要な植物性タンパク源として豚や鶏など家畜の飼料となっている。すなわち、中国政府による大豆の輸入関税引き上げは、米国中西部の農民に打撃を与えるが、同時に中国人民にとっても、耐えられない苦痛をもたらす。

<貿易戦争は本当か?> しかしこれらの公表合戦はポーカーゲームであろう。現在水面下で両国は協議を行っており、こうしたブラッフが仮に実行に移されるとしても6月である。それまでに妥協点を見出すものと思われる。

<金価格への影響> さてこれが金価格にどのような影響があるかと言えば、米中貿易戦争が実際問題となれば、金はセーフヘブンとして買われるだろう。また、両国のインフレが亢進して金の魅力が増す。しかし、単なる大人のゲームに終始すれば、肩すかしを食らうかもしれない。

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