シリア情勢の悪化が石油供給を減少させるシナリオ

原油(WTI先物)上昇。米中貿易戦争への懸念の緩和、中東情勢の悪化などで。64.28ドル/バレル近辺で推移。

金強含み。ドルインデックスの弱含みなどで。1340.7ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)上昇。11580元/トン近辺で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)下落。413.5元/バレル近辺で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで400.2ドル(前日比0.5ドル縮小)、円建てで1352円(前日比9円拡大)。価格の関係はともにプラチナ<金。

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「シリア情勢の悪化が石油供給を減少させるシナリオ」

昨晩、WTI原油は62ドル台前半から、一時63.50ドル台を超える水準まで、1ドル以上上昇しました。

中東でのリスクの高まりが一因であると報じられています。

ただ、筆者は今回の中東地域でのリスクの高まりによる原油生産への影響について、前回と同じシリア西部への攻撃であればその影響は軽微になる可能性があると考えています。

シリアの石油生産量は、米エネルギー省(以下、EIA)の過去に掲載された月次レポートで確認できます。

シリアでは2011年3月に民主化を求めるデモが国内各地で発生しました。これが一連の情勢悪化の発端とみられます。

デモ発生直前(2011年2月時点)の石油生産量は日量およそ40万バレルでした。

また、前回の空爆前の2017年2月時点ではおよそ日量3万バレルでした。

生産量がこの期間で急減したのはシリアの情勢悪化が主因と考えられます。(ちなみに2017年5月以降の月次レポートにはシリアの名前はありません。量が減少して“その他中東”に含まれたと考えられます)

現在のシリアの石油生産の規模から考えれば、今後、シリア情勢がさらに悪化してもシリアの石油生産が受ける影響は限定的だと言えます。

シリア情勢が激化し、イランなどの周辺国・ロシアなどの関連国の情勢が悪化して大規模な供給途絶が発生するという文脈もあると思いますが、これは、さまざまな条件を時間をかけて経た後に起きることだと筆者は考えています。

現実的な供給減少シナリオは、シリア東部付近を経由してトルコ国内を通って地中海に至るパイプラインを通る、イラク北部のキルクーク地区産の原油の供給が、米国の攻撃により地中海に供給できなくなる、というものだと筆者は考えています。(下図参照)

図:シリア周辺の地図

出所:各種資料より筆者作成
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事