金価格を動かす要因~2017年を振り返って

 今月から金のレポートを書かせていただくことになりました株式会社コモディティーインテリジェンスの近藤雅世と申します。よろしくお願い致します。

 金そのものに関する情報はそれほど多くありません。World Gold Councilは四半期ごとの世界の金の需給を公表していますが、年4回であり、EIA(米国エネルギー情報局)が毎週米国の石油需給を出すような頻度ではありません。

 一方商品の中にあって、金価格は金の直接的な需給で動くというよりは金融関係の動きに敏感で、過去には金融危機や世界経済・インフレ率等を基に金価格が動きました。2015年12月15日、FRB(米国準備制度理事会)は2008年11月から据え置きだったFFレート(目標政策金利)を0.25%から0.50%に引き上げました。また、その1年後の2016年12月にもFOMC(米連邦準備制度理事会公開市場委員会)は再度利上げをしましたが、昨年中には3回利上げをしています。イエレン前FRB議長が金融緩和からの脱却を図ったものです。そして金価格は利上げが近づくと下落し、利上げが成就すると上昇するという繰り返しとなりました。かなり分かりやすい金価格でした。

 この傾向は今年の6月の利上げ予想や9月、12月の利上げ予想にも当てはまるのではないでしょうか。これは利上げが近づくとドル高になり、利上げ後はドル安になったというドルの動きとも関係しています。金利のつかない金の価格は利上げには弱いと言われていますが、高い金利そのものが金価格を押し下げるというのではなく、金利の動きに対する市場の読みが金価格に影響していると言えましょう。

 またドルが安くなるとドル建ての金価格は高くなる一方で、東京市場ではドルが安くなると円が高くなるので、円建ての金価格はドル建ての金価格程は上昇しないことになります。また円は『有事の円』として買われやすく、北朝鮮のミサイル発射などでは円高となり、東京市場の金価格はその影響を受けました。こうした例はなかなか説明のしにくい金価格の動きに、合理的な説明が付く一例だと思います。

 今後、様々な観点から金価格について述べていきたいと思いますが、その情報が金価格に直接的に影響を及ぼすことは少なく、間接的なコメントになるのではないかと予めお断りしておきます。
 

 

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