ゴムは在庫の重圧が現実に…

 東京ゴム先限は3月5日の195円90銭で頭打ちしたあと190円台を割ったが、そうなると、今度は下値警戒から反発、先週15日には195円80銭と5日の高値にあと10銭まで迫った。

 しかし、その後は上海ゴム安を嫌気して反落するなど、引き続き小浮動場面から脱出出来ない。それでも、先週15日の上海ゴム中心限月(2018年5月限)が1万2,515元まで下げて、3月9日の安値1万2,555元を40元とはいえ下回った。この足取りは決して良いとはいえず、いつまでも、3月5日の高値1万3,185元を取れなければ、弱気筋が攻勢に出て2月9日の安値1万2,225元を取りに行く可能性もある。

 さて、東京ゴム先限の動きだが、当面のポイントは20~21日に開かれるFMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ(0.25%)に加えて、年内にあと2回の利上げか、3回の利上げかによって為替相場の反応も異なってくるはずで、ゴムもそれに左右されよう。

 具体的には、①利上げ決定で一時的にドル高・円安に振れたあと、年内あと2回の利上げ見通しで再びドル安・円高に戻るのか、それとも、②利上げは織り込み済みとしながらも年内あと3回の利上げ見通しを背景にドル高・円安へと流れを変えるかによって、生ゴムの輸入コストに変化を生じ、相場もそれを反映した動きになると予想される。

 仮に対ドル円相場直物が1円の円高になると、生ゴムの輸入コストはキロ当たり1円80銭低下し、それが5円の円高であれば9円の輸入コスト低下になる。逆に、1円の円安で生ゴムの輸入コストは1円80銭上昇、それが5円であれば9円の輸入コスト上昇になるわけで、東京ゴムへの影響が少なくないことが判る。その対ドル円相場直物の足取りを見ると、3月5日の105円35銭を高値に円安へと転じて13日に106円99銭をつけている。

 恐らく、米国の利上げをキッカケにもう一段円安が進み、2月21日の107円90銭を下回って108円台に達したあたりから、再びドル安・円高へと転じる可能性があると思われる。

 つまり、ゴム相場にとっては目先の円安で多少、反発する場面があっても、次の円高で3月5日の105円35銭を突破したあたりから、ゴムの輸入コスト低下をキッカケに相場が下げ足を早める展開を想定している。

 東京ゴム先限が3月2日の187円60銭を切ると足取りが悪化するので、為替の動向とあわせて注意深く見る必要がありそうだ。

 次の注目材料は26日(月)の3月限納会がどうなるか、更には前回の本欄でも述べた通り、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国の輸出削減策が3月末で打ち切られるのかどうかだ。

 前者の3月限納会については一部タイ筋が現受け意向であるとの噂が流れているが、それでも、受け渡しは300枚前後、平穏に幕を閉じる見通しだ。ただ、同筋が現受けを回避すれば安納会の可能性もある。

 ちなみに、昨年12月限納会は199円10銭で受け渡しは469枚。今年の1月限納会は195円10銭で受け渡しは472枚、2月限納会は179円で受け渡し285枚となっている。昨年12月をピークに納会値が切り下がっており、1万2,500トンまで増加した東京商品取引所の指定倉庫在庫の重圧が強まっていることが判る。

 たとえ、3月限納会が平穏であっても、月を追うごとに在庫の重圧が強まるうえに、1年間の供用期限切れ現物の処理も勘案する必要があり、期近のサヤ滑りを考慮すべきと思われる。

 最後に3ヵ国の輸出削減(1~3月で35万トン)は来週末にその期限を迎える。先行き、3ヵ月の延長が決まっても、悪目を先に延ばすだけで、ゴムを生産している農民にとっては、輸出削減が収入減となってハネ返ってくるだけに賛成ではあるまい。
 

 

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