長期低迷の公算薄いが過剰在庫が解消されるまでは重い状況

 ゴムの相場と石油の相場とは綿密な関係がある。足元の相場は、石油が強含みに推移しているのに対し、ゴムは逆に弱含みに推移、短期では両者の動きに関連があるようには見えないが、1998年から今年までの過去20年間の相関係数は0.829で高い正の相関が成り立っている。石油とゴムの値動きに関連があるのは、原油からナサフが生成され、ナフサから合成ゴムが生成されるため、原油と合成ゴムの価格相関、合成ゴムと天然ゴムの価格相関が高いという構図があるためだ。

 しかし前述のとおり、最近のゴムは原油の値動きに追随することなく、緩やかな下降傾斜となっているため、原油から比較的大きな下ザヤを形成して推移している。理由は、原油相場が世界的な株高や景気回復、デフレ脱却という大きなマクロ的な要因により底上げされているのに対し、ゴムの環境も同様な要因があるものの、それ以上に自身のファンダメンタルズが崩れていることが背景にある。

 原油以外にも、銅やアルミ、鉄鋼などの産業素材全体も強含みに推移しているが、ゴムのファンダメンタルズは、供給の増加による需給が崩れていることが上値を圧迫している。逆に、需給が緩和していることを相場が示唆しているといえる。

 例えば、鉄鋼に関しては世界最大の生産国である中国の過剰生産に対して、政府当局が減産方針を打ち立て、政策として規制を敷いたことが功を奏し需給を均衡させることに成功した。原油においても、OPEC加盟国で減産を強化し、さらにOPECと非加盟国との間でも協調減産に合意したことで、それが需給緩和に歯止めをかけるという経緯がある。

 だが、天然ゴムに関しては輸出を一定規模で規制したものの、肝心の生産は手付かずの政策となったことで、根本的に需給を引き締める内容を伴わなかったことで、それが在庫の積み上げにつながってしまっている。輸出を規制するだけなら、輸出削減の期限を迎えた途端、過剰生産となっていた在庫の積み上げ分が今後一斉に市場に出てくることが想定される。
 

 

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