弱材料が山積するゴム相場!?

 3月に入ってからの東京ゴム先限は値動きが小さくなっている。安値が3月2日の187円60銭、高値は5日の195円90銭で、その間の値動きは8円ほどにとどまっている。これを、『底固い』と見るか、『下げ道中の一服』と見るか難しいところだが、現段階では後者の下げ道中の一服に過ぎないと見たい。

 というのも、当面のポイントは、(1)26日(月)の当限納会がどうなるか、(2)3月末で期限切れとなるタイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国による輸出削減策がどうなるか、もう一つは、(3)トランプ米大統領が表明した鉄鋼、アルミニウム輸入制限と高関税の影響、(4)為替市場におけるドル安・円高見通し…などがゴム相場にどのようなハネ返りを見せるかだ。

 (1)については中国筋の介在が無い一方で、渡物(実弾)は十分にあり、売方が親引けすることによって、下げ渋るという他人まかせの納会と予想されている。3月限と4月限が4円、5円とサヤを広げれば売方の乗り換えがスムーズとなり、納会値は多少安い程度で幕を閉じることも考えられる。

 (2)の3ヵ国による輸出削減が4~6月までの3ヵ月間延長されるのか、それとも、3月末で打ち切りになるかだが、基本的にはインドネシア、マレーシアは、この種の市況対策は反対の姿勢にある。これは生産コストの違いもさることながら、3ヵ国が輸出削減を実施している間に、消費国はベトナム、カンボジア、ミャンマーなどから天然ゴムを代替輸入しているフシがあり、これによって、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国は輸出先を失うリスクがある。

 それに、1月から前述の3ヵ国が輸出削減しても、東京ゴム先限は1月18日の216円30銭を高値に急落し、2月16日には179円20銭まで下げており、その効果がほとんど相場に表れていないことが判る。

 もし、3ヵ国の輸出削減策が3月末で打ち切りとなった場合は、4月以降に輸出削減で溜まった在庫が市場に放出され、市場を圧迫するリスクがある。

 反対に、輸出削減策が4~6月まで継続された場合、一時的に天然ゴム価格が反発するかも知れないが、これまでの例を見ても根本的な立ち直りは難しい。それどころか、1~3月に3ヵ国は35万トンの輸出削減を実施、4~6月も35万トンを輸出削減すれば、7月以降には70万トンの在庫がタイ、インドネシア、マレーシアに溜まることを意味する。

 ちなみに、1~3月の輸出削減はタイ23万5,000トン、インドネシア9万5,000トン、マレーシア2万トンだったから、6月末まで6ヵ月間輸出削減を続ければ、その間に生産国に溜まる在庫はタイ47万トン、インドネシア19万トン、マレーシア4万トンの合計70万トンということになる。これだけの在庫が7月以降に市場に放出されたらどうなるか、いうまでもない。

 (3)については完全実施されれば、報復合戦、貿易戦争に発展するリスクがあり、国際商品にはマイナスに反応する。

 (4)の為替については長期的にドル安円高と見るアナリストが多く、円高はゴムの輸入コストを下げる。

 このように、ゴムを取り巻く材料を見ると弱材料が目につく。

 例年、世界最大の天然ゴム生産国であるタイは乾期に入って減産期を迎える。3~5月は生産量が消費量を下回る季節になり、ゴム相場が高値をつける周期に入る。しかし、今年は生産国が輸出を削減し、その間に溜まった在庫が市場に放出されると、タイの減産期による供給減を打ち消す恐れもあるわけだ。

 結論は、目下は下げ一服しているゴム相場だが、3月から中国の国産ゴムが生産されるのに加えて、3月末で3ヵ国の輸出削減策が打ち切られた場合は、4月から在庫放出の圧迫を受けるだけに、揉合相場が下放れるのは時間の問題と見たい。
 

 

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