ゴムは需給悪化と株価暴落のダブルパンチ

 東京ゴム先限は先週末(9日)に187円80銭まで下落、当限も一時170円台に落ち込んだ。上海ゴムの中心限月(2018年5月限)が9日にトン当たり1万2,225元まで下落し、2017年6月8日の1万2,215元にほぼ顔合わせしたこと、一方で、金利高をキッカケにニューヨークダウが大暴落、これが中国、東京など世界の株安につながり、原油や金など国際商品が嫌気して下げ足を早めたことがゴムの足を引っ張った。

 また、上海市場の2月2日現在の生ゴム在庫が42万6,498トンと前週比7,188トン増加、東京商品取引所のゴム指定倉庫在庫が1月末現在で1万1,602トンまで急増し、9月末の2,705トンから4倍ほどに増加したことも、期近を圧迫する要因になった。それだけではなく、1~3月でタイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国は35万トンの輸出削減によって、市況アップを狙ったが、その結果は生産国の在庫増を招き、逆にこれが市況を圧迫する格好になり、『生産国の輸出削減が裏目に出て市況を圧迫している』(市場関係者)で、生産国は“ふんだりけったり”の状況に見舞われているのが実態だ。

 要するに、上海、東京の消費地だけではなく、世界最大の天然ゴム生産国であるタイも在庫圧迫を受けているわけで、今後、いずれの国も在庫処理に苦慮すると見られ、それが解決するまでは低迷から脱出出来そうにない。

 しかも、ファンダメンタルズだけではなく、世界的な株価下落が商品市場にもマイナスに働きかねない。特にニューヨーク原油期近は1月25日の高値66.66ドルから一転して下落、2月8日には60.27ドルと、あっという間に6ドル強の下落となって、1月19日の安値62.85ドルを下抜き、ケイ線の形が悪くなっている。

 投資家が株価暴落と原油安のダブルパンチを受けたとすれば、その痛手も少なくなく、当面は双方の相場がどこで下げ止まるか、どこで市場が落ち着きを取り戻すか見守る必要がある。

 それにしても、しばらくは株価暴落の修復がどのように行われるか、そこに至るまでは上下波乱の相場が続くものと思われる。

 結論は、ゴム市場を取り巻く環境はファンダメンタルズの悪化に加えて、世界的な株価下落によって投資マインドだけではなく、消費マインドを後退させる要因になりかねず、新車販売の売れ行き減少不安が天然ゴムの消費減少懸念を招きかねないことを頭に入れておきたい。

 市場とは勝手なもので、相場が上昇すれば、その背景となる強材料を都合良く受け入れ、一方で相場が下落すれば、これまた弱材料を受け入れて理屈づけするもので、今回もそのようになる恐れもある。

 直面する世界的な株価暴落の影響は大きく、それだけ、市場での思惑、懸念が働きやすい点も考慮する必要があり、ニューヨーク原油の下落が長引くと、合成ゴムの値下がりにも結びつき、天然ゴム価格の足を引っ張りかねない。
 

 

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