天然ゴム生産国の輸出削減は失敗か

 東京ゴム先限は1月末に191円30銭まで下落し、1月10日の高値216円30銭から25円も暴落した。昨年11月21日の安値187円80銭から今年1月16日の高値216円30銭までの上昇幅が28円50銭、その日柄が約2ヵ月を経過していたことを思うと、今回の下げ幅25円は日柄が半月であり、いかに短期間で大幅に下げたことが判る。

 下落の大きな原因は、これまでに本欄で述べてきたことだが、あらためて述べると、①上海ゴム在庫が40万トンを突破、3月から中国国内で天然ゴムの生産が開始され、更に在庫が増勢をたどる見通し、②東京商品取引所のゴム指定倉庫在庫高も1月20日現在で1万トンを上回り、2月末までには1万2,000トンを突破する見通しにある、③中国筋が東京ゴム12月限納会、1月限納会で、ざっと600枚、3,000トンの現物を受けたと噂されている。その現受け資金は6億円ほどになるが、この現物を中国に輸出することは難しい。というのも、東京の相場が上海の相場より高く、東京が暴落するか上海が暴騰するか…が必要になる、④しかし、上海市場の在庫も40万トンを突破し、3月以降の国産ゴム生産開始などから、中心限月の5月限は昨年11月21日の安値1万2,820円を下回る恐れがある。これを下回ると次の安値は昨年7月31日の1万2,305元、6月8日の1万2,215元となるが、この時の東京ゴム先限は6月7日に178円80銭まで下落した過去がある、⑤タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国は1~3月で35~40万トンほどの輸出削減を実施して、市況対策に乗り出しているが、しかし、上海、東京、タイともに市況が回復するどころか逆に安値をつけている…などからすると、目先的に例え反発しても、東京ゴム先限の200円大台は上値抵抗線になるはずだ。

 とにかく、タイでは1~3月で28万トンもの輸出削減により、『マーケットには現物がジャブジャブにある』(現地情報)というから、そう簡単に市況回復はあるまい。

 また、3月末で生産3ヵ国の輸出削減が終了した場合、35~40万トンの天然ゴムが市場に放出される可能性があるだけに、3月に入ると市場は輸出削減で生産国に積み上がった在庫放出に対する懸念を強める恐れもあるわけだ。

 世界最大の天然ゴム消費国の中国は生産3ヵ国による輸出削減の混乱を避けるためか、ミャンマー、ベトナムなどからの輸入ウエイトを高めているといわれている。

 つまり、天然ゴム輸出削減に参加しているタイ、インドネシア、マレーシアはミャンマー、ベトナムあるいはカンボジアなどに輸出シェアを奪われかねないわけである。

 結論は、目先は下値警戒で反発しても、『長期的には170円台割れの恐れあり』と見る。
 

 

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