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ゴムの需給悪化を重視せよ

 東京ゴム先限は先週16日にキロ当たり216円30銭まで水準を上げたものの、その後は頭重く推移して一時200円台を割り込んだ。①天然ゴム生産3ヵ国の輸出削減(35万トン)、②タイ政府の市場介入による天然ゴム20万トン買い上げ、③東京市場における中国筋の買いポジションと1月限納会での連続現受け説(口先介入)…などを背景に買われたにしては、余りにも反発力が弱い。

 その理由、背景を見ると、①については、本稿で何度も述べている通り、生産量を削減しないで、35万トンの輸出を削減すれば、その分だけ生産国在庫は増加することになる。

 一方で、輸出業者や農民は輸出量が削減されることによる収入減に見舞われるため、かならずしも、歓迎とはいえないようだ。それでも、輸出削減で市況が回復すれば、輸出削減による収入減をカバー可能だが、タイの天然ゴム市況は季節的な増産期、供給過剰によって低迷から脱出することが出来ないでいる。

 こうした状態で3月末を迎えたら、『4~6月も輸出削減を続けるのか』、あるいは、『3月末で輸出削減を終了すれば、生産国に積み上がった在庫が処分売りされる恐れがある』…などの不安が表面化しかねない。

 ②に、ついては目下のところ、口先介入にとどまり、買い介入するような動きをまったく感じられない。③は、昨年12月に続いて1月限納会でも中国筋の現受け説があるが、たとえ現受けしても、それを中国に輸出する体系になっていないし、上海でも在庫が40万トンまで急増しており、中国への逆輸出は不可能だとすれば、現受けしたものは再び東京市場に還流されることになるわけで、その時の相場がどうなるか、あえていうまでもあるまい。

 上海ゴム在庫の推移をあらためて振り返ると、昨年11月17日時点で51万0,356トンまで急増したが、11月24日時点で32万2,408トンと前週比18万8,000トンも減少したのは、供用除外品が倉庫から出庫されたためだ。

 その後、再び在庫は増勢をたどり、1月12日現在で40万5,040トンまで増えたが、現物市場では前述の供用除外品の約19万トンが消費されていないといわれている。つまり、上海市場では新旧の在庫を合わせて60万トン弱の在庫が存在していることになり、上海ゴムの上値が重いのもそれが理由だろう。

 これに対して、東京市場の在庫も1月10日現在でついに9,000トンを突破した。2月中には1万2,000トン台まで増加する見通しだが、これほど在庫を増やしたのは東京、上海ともに生産国の相場よりも高値を出したことで荷を呼んだといえる。

 中国への逆輸出が難しいなかで、『東京の在庫を処理するには1年はかかる』(事情通)が重くのしかかる。
 

 

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