2018年展望(地政学リスク)

 2017年展望レポートで、『トランプ政権の中東・中国に対する政策が、これまでの米国の政策と大きく変更される可能性は高く、地政学リスクも高まりを見せそうだ』と予測したが、2017年には、北朝鮮リスク・中東リスクなどが浮上。燻り続けたまま2018年を迎えた。

 1月1日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が今年の施政方針を示す「新年の辞」を発表。韓国で2月に開幕する平昌冬季五輪に選手団を派遣し、南北対話を探る考えも示した。3日には、南北間を結ぶホットライン(直通電話回線)の再開を金正恩・朝鮮労働党委員長が指示。トランプ米大統領は4日に、文在寅大統領と平昌冬季五輪期間中に合同軍事演習を行わないことで合意した。続いて韓国が提案していた1月9日の南北高位級会談(15年12月以来約2年ぶり)を北朝鮮側が受け入れた。事で、冬季パラリンピック終了までは、北朝鮮リスクは一旦後退した格好だ。

 韓国CDSスプレッドが急低下したのに対して、VIXは反発となっている。これは、中東の地政学リスクが年末から年明け以降も高まりを見せているためだ。原油価格の高騰も、中東やベネズエラの地政学リスクが一因だ。

 昨年12月にトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都であると表明し、在イスラエル米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転する意向を示したことをきっかけにして、中東情勢が緊迫している。

 現在の米国に中東と朝鮮半島の二正面で武力行使を行う力はなく、中東情勢が悪化すればするほど、米国は北朝鮮に対して宥和的姿勢を取らざるを得なくなる。北朝鮮がICBMの開発を凍結するというカードを切るならば、米国がパキスタン方式(核保有は黙認するが、米国まで届くミサイル開発は認めない)で、北朝鮮の核保有を黙認し、金正恩体制の保全を保障する可能性も浮上してきた。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事