タイの落葉期における相場の傾向とゴム産業界事情

 今年の中華系の休日「春節」は、2月15日~2月21日の7日間。この春節は年によって時期が違うが1月下旬から2月下旬までの期間が一般的である。

 天然ゴムの主産地タイの実業者のトップには華僑など中華系の人が多く、ゴム産業界においても華僑系の経営者が少なくない。このため、この春節の時期は旧正月を祝うことで仕事が休みとなることが慣例化している。対外向けオファーも提示はされるがノミナルプライス(参考価格)となり実取引はしないのが一般的。

 タイでは、「春節の時期を境にしてウインタリング(落葉期)入りする」と言われ、ゴム樹の落葉が始まる目安の一つとなっている。この時期を迎えるとタイの気候は乾季となりゴム樹の葉が抜け落ちるため、ほぼ全てのゴム農家はタッピング(切り付け作業)を中断する。仮にゴム樹を切り付けしてもラテックスが出ないためだ。春節を迎える2週間ほど前からゴム樹の葉が黄ばみ始め、春節を迎えるころから落葉が始まるというのがジンクスになっている。もう一つ言われるのが「春節の時期が例年より早いとウインタリングは早く始まり、遅いとウインタリングも遅く始まる」というジンクス。今年の春節は例年よりかなり遅いため、ジンクスどおりならウインタリングも遅く始まることになる。

 この春節とウインタリング開始の時期の関係性を唱え始めたのは華僑系中国人だと言われている。それほどタイのゴム産業界では中国系の立場が高くなっている。

 参考までに、今から半世紀も昔、世界のゴム産業界における「King of rubber」と呼ばれたのがシンガポールに拠点を置いていたリー・ラバー(Lee Rubber)で、同社はその後タイに当時最大手のゴム工場となるテクビハン(Teck Bee Hang)を設立させ、その後同社から暖簾分けの形で、スリートランアグロー(Sri Trang Agro)やボンバンディット(Von Bun Dit)、サウスランド(Southland)などのゴム工場が開業した。各社とも、事業者、役員に中華系の人が少なくなく、さらにまた近年ではリー・ラバーやテクビハンが中国国有企業のシノケム(Sinochem Group)に買収された経緯がある。ゴム大手タイファーも同様に中国系企業のガンケンラバー(Guangken Rubber)に買い取られ、今のゴム産業界は中国系が保有する企業が目立つ状況となっている。

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