ゴムは2月にかけて底入れか

 2017年の東京ゴム先限の動きを振り返ると、1月末に366円70銭と2011年9月以来の高値を示現したあと一転、6月7日の178円80銭まで高値から実に半値以下まで暴落。その後はさすがに下げ過ぎ感が強まり、9月6日の234円70銭まで安値から56円ほど水準を上げたが、この高値が結果的にタイ産地から現物を呼び込むことになって急反落、11月21日には187円80銭と、6月7日の安値178円80銭まであと9円に迫った。

 東京商品取引所の生ゴム指定倉庫在庫は9月末の2,705トンから増加し、12月10日現在では6,893トンに急増して、今後も増勢を辿る見通しだ。

 こうしたなかで、2018年のゴム相場をどう読むか。

 最初にゴムの季節習性を見ると、ゴムの生産地では秋の天然ゴム増産期に安値をつける一方、春の減産期に高値をつける傾向がある。

 具体的に東京ゴム先限を見ると、前者の安値は2004年11月25日に116円80銭、2006年11月24日の185円50銭、2008年12月5日の99円80銭、2011年11月11日の248円60銭、2014年10月3日の173円80銭、2015年11月6日の153円と、いずれも底値を形成。

 後者の高値(天井)は、1月に1回(2017年1月31日の366円70銭)、2月が3回(2011年2月18日の535円70銭、2012年2月27日の344円40銭、2013年2月6日の337円80銭)、3月が1回(2004年3月15日の166円30銭)、4月が3回(2010年4月16日の338円50銭、2016年4月27日の205円10銭、2007年4月17日の299円50銭)、6月が3回(2006年6月13日の324円50銭、2008年6月30日の356円90銭、2015年6月2日の247円90銭)となっている。

 以上のように、1月から6月の年前半に高値を出した回数は実に11回あり、特に2~4月の3ヵ月間で7回も高値を出している。これは、前述したように、タイを中心とした天然ゴム産地が季節的な減産期に入り、需給がひっ迫しやすい時期になるからだ。

 問題は2018年がどのケースに当てはまるかだが、過去の習性からすれば、2017年11月21日の187円80銭で大底打ち、春に向けて高値を示現するといえる。しかも、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国は2018年1~3月で天然ゴム35万トンの輸出削減策を実施する。国別の内訳は、タイ23万4,810トン、インドネシア9万5,190トン、マレーシア2万トンで、3ヵ国で月平均11万7,000トン弱の輸出を削減するというものだ。加えて、タイ政府は先に120億バーツの資金で20万トンのゴムを買い上げると伝えられている。

 つまり、天然ゴム生産3ヵ国の輸出削減と合わせればかなりの強材料になるはずで、これらの市況対策を“鵜呑み”にすれば、『ゴム相場は大底を確認、春高相場に移行する』といえるが、しかし、前者の輸出削減が実施されたとしても、その分、生産量を削減しないと、それぞれの生産国在庫は積み増しされることになる。

 また、生産3ヵ国が天然ゴムの輸出削減数量を厳守しているのかどうかを監視する機関が無いうえ、タイ政府の20万トンの買い上げについても、一部で、『タイ政府が約200億バーツの補助金を承認した』と伝えられてはいるが、それすら懐疑的に見る向きが多い。

 しかも、上海ゴムの生ゴム在庫は2017年12月22日現在で37万3,218トンに急増、東京商品取引所の生ゴム在庫も7,000トン弱に増え、今後も増勢を辿る見通しにある。

 結論はこうだ。天然ゴム生産国がいらぬ市況対策に動き出すことによって、2018年の相場の底入れが先にズレたと判断、1月から2月に向けて上海、東京ともに在庫圧迫によって、今一度、安値をつける可能性がある。その安値によって産地からの現物流入がストップ、一方で在庫が実需筋に捌かれて、初めて本格的な上昇相場に移行すると見たい。
 

 

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