あてにならないゴムの市況対策

 東京ゴム先限は先週18日に210円30銭まで切り返したものの、その後は揉合相場に移行した。目下、タイ産地は天然ゴムの増産期にあり、来年1月にもっとも生産量が増える。従って、天然ゴムは供給過剰の状態にあるが、一方で、すでに報じられている通り、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国による輸出削減策、更には、①タイ政府が天然ゴム20万トンを買い付け、②年間20万ライ(1ライ=1,600平方メートル)のゴム栽培面積の休耕、③ゴムから他作物への転換(10ライの農地につき最大4,000バーツの奨励金を交付する)…など強弱材料が入り乱れる格好になり、市場全般に仕掛け難、見通し難になって出来高が減少、相場も小動きにならざるを得なくなったといえる。

 ただ、疑問な点はタイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国の輸出削減について新たな情報が伝えられないうえ、タイ政府による天然ゴム買い上げ20万トンと、その他の政策についても何ら進展がない。特に、タイ政府による20万トンの買い上げ等については、バンコク時事によると、『クリサダ農業・協同組合相は天然ゴム価格を下支えるため、全国のゴム取引市場に120憶バーツを投入し、20万トンを買い付けるなどの詳細案を含め、12月19日の閣議に提案する』としていたが、その後の情報についても全く伝えられていない。

 これに対して、『例え、天然ゴム価格を下支える政策が出されても、タイ政府は資金不足でそんな予算が取れない。要するに“絵に描いた餅”に過ぎない』(事情通)と冷ややかで、また、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国の輸出削減、あるいは、タイ政府の天然ゴム20万トン買い上げなどが伝えられても、産地相場は浮上しておらず、『タイRSS3号の相場が低迷から脱し切れないのは市況対策が掛け声だけだからだ』(同)と受け止める向きも少なくない。

 目先的には天然ゴム生産3ヵ国の輸出削減策、タイ政府の天然ゴム20万トン買い上げなどで、今後も具体的な情報が伝えられなければ市場は再び失望色が濃くなり、見切り売りが先行しかねない状況に落ち込む恐れもありそうだ。

 いずれにしても、12月15日現在の上海ゴム在庫は35万9,132トンへ増加し、東京商品取引所の生ゴム指定倉庫在庫も12月10日現在で6,893トンまで増加、今後も増勢が続き、とりあえず、1万2,000トンがらみまで増加する可能性もあるなど、供給過剰感を強めている。

 東京ゴムは期近と期先とのサヤがひと頃より縮小したが、いずれは在庫の増加にスライドするように順ザヤ幅を拡大するだろう。

 現在でもタイRSS3号のオファーに比べて東京ゴムはキロ当たり10円ほど割高にあり、産地から荷を呼び込みやすい価格体系にあることを重視したいところだ。
 

 

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