連動性が薄れ個別に動く商品マーケットとゴム相場の行方

 次の心理的な節目60ドルのラインをなかなか突破することができないWTI原油であるが、依然として先高感は強いままである。サウジアラビアとイランとの関係悪化やイスラエル問題などから中東エリアの地政学的リスクが高まっており原油の輸出不安につながっているためだ。またWTI原油はチャートがはっきりとした逆ヘッド&ショルダーを形成して底入れしたことに加え、期近が期先より高いバクワデーション(逆ザヤ)を形成していることも先高感を誘っている。

 このような状況からWTI原油に対する強気な見方は根強いままで、米銀ゴールドマン・サックス・グループは、先週、来年の原油相場見通しを引き上げた。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国の産油国が減産延長で合意したため、世界的な原油在庫が減少する確率が高くなっていることが背景にある。同銀のアナリストは来年のWTI原油の見通しに関し、従来までのバレル当り55ドルから57.50ドルに上方修正している。

 原油相場が強気な状況であるのとは対照的に、足元の金属相場、非鉄地金相場などの産業素材市況、並びに、プラチナや銀といった希少金属市況は上昇に一服を入れただけでなく、一部銘柄は顕著に値崩れする状況を余儀なくされている。

 この中でも特に値を崩しているのが銀である。国際指標であるNY銀相場は、短期的には、10月の高値1750セントから今週に入ると一時1560セント台まで一気に200セント近く暴落。中期的にも今年9月の高値1829セントを天井とした三尊天井を形成して、完全にダウントレンドに突入している。相場は今後も続落して年初来安値である今年7月の1514セントを下回る可能性も出てきた。

 このように、国際コモディティ市場では、先高感の強い銘柄と先安観の強い銘柄とが明暗を分け、同一的なトレンドになっていない。個別の市況を取り巻く環境や需給ファンダメンタルズから相場がつくられる傾向が示されている。ゆえに、ゴム相場に関しても、これまでのような原油高に連動するであろうとの短絡的な見方だけでは将来予測は困難である。
 

 

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