ゴムの高値飛び付き買いはリスク

 東京ゴム先限は11月21日に187円80銭まで下落したものの、その後は反発し、先限連続足で12月5日の211円20銭まで23円40銭の戻りを演じた。

 新甫5月限は196円90銭で発会して先週5日に211円20銭まで14円30銭上昇しており、一代足で見ると強気有利の力関係にあるといえる。また、東京ゴム先限のケイ線を見ると、11月7日の高値207円、10月4日の高値209円70銭をともに抜いており、ケイ線上の次の目標は9月27日の219円10銭が視野に入ってくる。

 さて、今回の反発要因をざっと列記すると、①一部タイの強気筋が買いポジションにあり、仮に納会で現物を受けると、一時的に荷圧迫が軽減される、②タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国の天然ゴム生産国が輸出削減に踏み切る、③中国青島の倉庫で火災が発生し、天然ゴムに被害が出た可能性がある…などを挙げられる。

 ただ、これらの材料を冷静に分析すると、強材料といえるかどうか、不透明な部分が多い。

 例えば、①については、確かに納会で現物を受け切れば、現物の圧迫は一時的に軽減されるものの、これが先物市場に還流された場合は、強い圧迫材料になる。また、現物を還流する場合、ポジション的には売り玉を改めて建てることになり、これも相場に圧迫を加える恐れがある。

 タイ筋がどのように東京市場で戦っていくのか見守る必要があるが、強気作戦で現物を受け切った場合、今度はそれを武器にドテン売り作戦に転換、手持ちの現物で売り崩すことも予想される。

 ②については、3ヵ国で35万トンの天然ゴムを輸出削減するというものだが、基本的には市況対策を実施しなければならないほど天然ゴムの需給が悪化していると理解すべきであり、“輸出削減=強材料”と単純に考えるべきではあるまい。

 ③については、上海先物取引所の発表で、上海の物流センター内にある中遠海運物流倉庫の南泉倉庫で火災が発生、5万5,000トンの貯蔵能力があるが、天然ゴムの被害が発生したかは判明していない。南泉倉庫では天然ゴムの受け渡し倉庫(供用品在庫)になっているものが9,900トン、すでに倉荷解除後に受け渡し状態(供用除外在庫)となったものが1万9,850トン保管されていたという。

 それにしても、仮に天然ゴムに被害があったとしても、上海にほ天然ゴム在庫は十分にあり、強材料にはなりにくい。

 結論は、安値から20円以上も水準をアップしたことで、目先の力関係はやや強気有利に傾斜していると見るべきで、『上値余地あり』と判断出来るが、戻り一巡後は再び産地での天然ゴム需給悪化や、上海と東京の在庫増加が嫌気される材料となるだろう。

 ちなみに、上海市場の生ゴム在庫は12月1日現在で33万8,328トンと、前週比1万5,920トン増、東京商品取引所の生ゴム在庫も5,817トンまで増加したほか、12月前期の検品申請は356枚(1,780トン)に達するなど、期近にはマイナス材料が目立っているのが現状だ。
 

 

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