天然ゴム生産国が急拠輸出削減へ

 東京ゴム先限は11月21日の安値187円80銭から反発。先週末には202円80銭と安値から15円ほど切り返した。

 これで、11月7日の高値207円を抜いてしまうと力関係はそれまでの売方有利から買方有利へと変化する。とすると、10月4日の209円70銭、更には210円を抜くようだと9月27日の219円10銭が目標になる。

 ただ、これはテクニカル面からの話であり、ファンダメンタルズを抜きにしたものだ。

 問題は、11月21日の安値187円80銭から一気に200円大台を抜いた原因だ。その材料は幾つかあるが、190円を割ったところから売方が買い戻して売り物薄になったところに、上海ゴムが反発、強気筋の買いを誘った。

 もう一つは、『東京市場でタイ筋が3,000枚規模の買い玉を仕込んでいる』との噂が広がり、『今後、納会で現物を受けるのでは…』との思惑につながり、反発力を強めたといえる。

 また、強気筋を勇気づけたのは、11月29、30日の両日に、タイのチェンマイでタイ、インドネシア、マレーシアの3ヵ国が会議を開き、12月から3ヵ月間で協調輸出削減(35万トン)に踏み切ると伝えたことが上げに拍車をかけた。

 国別の輸出削減量はタイ23万4,810トン、インドネシア9万5,190トン、マレーシア2万トンというものだが、ただ、何ヵ月間で35万トンの輸出を削減するかが判っていない。

 過去、3ヵ国が輸出削減に踏み切ったのは2016年3月から8月までの6ヵ月間で61万5,000トンを実施したことがある。その例からすると、今回の35万トンは12月から2月までの3ヵ月間と思われるが、肝心な点は世界最大の天然ゴム生産国タイは秋から増産期に移行し、来年1月まで天然ゴム生産はピークに達する。つまり、少なくとも、天然ゴムの供給過剰が来年1月まで続くなかで、35万トンの輸出削減に踏み切っても、その効果は極めて薄いと見られる。

 生産国が輸出を削減するならば、その分、生産量を減らすならともかく、輸出だけを削減すれば、タイ、インドネシア、マレーシアなどの生産国は、その分だけ在庫が積み上がる計算になる。

 それでも、輸出削減を12月から翌年2月の3ヵ月間にとどめず、3月から5月まで3ヵ月間延長すれば、生産国の減産期(2~5月)にぶつかるので、その効果は相場に表れると思われる。

 いずれにしても、生産国が輸出削減の市況対策に取り組むほどに需給が悪化し、価格が低迷しているなかで、一部のタイ筋が東京市場に大きな買い玉を仕込む、その理由が判らない。“無理をすれば道理が引っ込む”であり、当初は相場が反発するにしても、大きな戻りは期待しにくい。無理して買い上げれば、あとにそのトガメが表面化するだろう。
 

 

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