白金が再び脚光を浴びる時

 燃料電池自動車は、燃料電池で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車であり、ガソリン車が、ガソリンスタンドで燃料を補給するように、燃料電池自動車は水素ステーションで燃料となる水素を補給する。燃料電池は、電解質をはさんだ電極に水素を送り、もう一方の電極に空気中の酸素を送って化学反応させ、電気と水を発生させる。電極に使われているのが白金だが、これは化学反応を促すものの、自身は反応を起こさず“触媒”と言われる。現在の燃料電池車では、1台につき約100g程度の白金が使われているという。「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」が3月9日に発表した「Platinum Quarterly」によると、2017年の世界の白金総供給量が238.3トンなので、燃料電池車238万台分しかない。白金の推定埋蔵量は2000トンと言われているが、それでも2000万台分しかない計算になる。燃料電池量産で最も問題になるのが、白金の希少性だろう。

 また、以前は価格が大きなネックとなっていた。リーマンショック前、中国の高度経済成長や投機資金の流入により、白金価格は2000ドルを超えていたため、白金触媒の燃料電池開発は困難との見方から、無白金の燃料電池開発が促進された。コスト面から炭素系触媒の研究が盛んになり、性能も大幅に向上しているという。しかし、構造が非常に複雑であり、触媒中の不純物の構造や組成などの定量が容易ではないため、品質が不安定であるという。一方、炭素系触媒に白金を10グラム程度加えることで品質が向上し、効率の精度も上がるという研究報告もあり、最近では“無白金”から“省白金”へと開発方向を軌道修正しているともいう。
 
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