2012年の金相場見通し

2011年後半の金相場は上値の重い展開になっているが、12年は安値是正の動きを想定している。9月以降の金相場急落は、「流動性危機」を背景に、金のファンダメンタルズと関係なく手仕舞い売りが膨らんだ結果である。これは08年のリーマン・ショック後の「流動性危機」でも見られた動きであり、現在の相場環境においては許容せざるを得ない動きである。そもそも、金の安全性は、有事でも換金できる信頼・信認・流動性・価値などを意味することを考慮すれば、「有事の金売り」は寧ろ金の価値が再評価できる動きとも言える。

このため、欧州債務問題を受けての流動性危機が継続する限りにおいては、金相場の戻り余地は限定的と言わざるを得ず、12年上期も厳しい相場環境が続くことになるだろう。ただ、1,600ドル水準では9月に続いて12月も旺盛な現物買いが観測されていること、各国中央銀行などの買い付け行動が活発化し易いことを考慮すると、この価格水準からの下落余地も限定的とみている。オーバーシュートの可能性を想定しても、1,500ドル水準が年間の安値圏になる可能性が高い。

一方、欧州債務問題は世界的な金融緩和圧力に直結していることが、流動性危機が収束後の金相場急伸を促す見通し。これは、リーマン・ショック後にも見られた動きである。

米国では量的緩和が第一弾(QE1)、QE2を経て、景気減速には一定のブレーキが掛かっている。ただ、失業率が依然として高止まりしていること、住宅市場の回復が鈍いことなどから、QE3導入の可能性が排除できない。

欧州では、欧州中央銀行(ECB)がトリシェ前総裁の下で2度の利上げに踏み切ったが、その後はドラギ総裁が2ヶ月連続の利下げに踏み切っている。既に政策金利は過去最低水準の1.00%まで低下しているが、追加利下げの可能性も排除できない状況にある。

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