2012年の天然ゴム相場見通し

欧州債務問題に伴うグローバル経済の減速を受けて、他の素材市況同様に天然ゴム相場に対しても調整圧力が強くなっている。今年2月には一時535.70銭まで急伸したが、足元では250~300円水準まで値位置を切り下げていることが、マーケットのこうした見方を反映している。

ただ、2011年、12年ともに、天然ゴム需給の大幅な悪化は避けられると見ている。世界天然ゴム需給を在庫率ベースでみると、09年の20.2%から10年には14.0%まで急低下したが、欧州債務問題を受けても14~16%程度の低水準を維持する可能性が高い。

「景気減速→天然ゴム需要悪化」のフローは常識に合致した見方と言えるが、タイヤメーカー各社の発表している販売動向とは明確に異なっている。北米の買い替え需要が鈍化していることは否めないが、タイヤ市場全体でみると欧州や北米の新車市場、中国の買い替え市場、そして大型車向け市場が堅調な伸び率を維持しており、08年後半にみられたようなパニック状態にはない。

最大の天然ゴム消費国である中国に関しても、1~11月期の輸入量が前年同期を12.9%上回っているにもかかわらず、上海取引所在庫は前年同期の約半分の水準に留まっている。少なくとも「天然ゴム需給が緩和している」ことを裏付けるデータは乏しい。

今年は東京や上海など消費国の先物市場で投機的な売り圧力が膨らむも、生産国の価格防衛政策が本格化する中、下値不安は限定的とみる。デフォルト(債務不履行)対策の構築で輸出入市場が正常化に向かっていることに加え、再び300セント割れを試すような動きがあれば、最低輸出価格の設定や輸出規制などが行われる可能性が高い。このため、250円水準は12年も強力な支持線として機能しよう。

欧州債務問題を受けての流動性危機が収束に向かえば、今年の平均価格である375円水準は維持できるとみている。産地の気象環境次第では、年間平均値が400円台前半まで切り上がる可能性も排除していない。

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