直前レポート 8月雇用統計、金市場の視点

米労働省は9月5日(日本時間21:30)、8月分の雇用統計を発表する。金市場の視点で注目すべきは、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する利上げ前倒しプレッシャーになるか否かの一点に尽きる。米金融政策の正常化見通しを一段と強めることで、ドル相場を一段と押し上げ、ドルの代替通貨たる金相場を一段と押し下げることができるのかが問われることになる。

8月21日に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月29~30日開催分)では、「多くのメンバーは、労働力の活用が極端に低い状態という評価は、特に労働市場の改善が予想よりも速いペースで続いた場合、近い将来に変更を迫られる可能性があると指摘していた」ことが確認されている。

7月FOMCでは「労働市場の状況は改善し、失業率は一段と低下した」と雇用情勢に対する評価を改善させていたが、それと同時に「労働力の活用がなお極端に低い状態」という形で、労働参加率の低さに懸念を表明していた。

このため、8月雇用統計においては雇用者数の安定的な増加、失業率の低下傾向が確認されるか否かは当然として、労働参加率の改善が見られるのかが注目されることになる。フィッシャーFRB副議長が高齢化といった構造的な要因の影響の影響を示すなど、この問題は従来マーケットが考えていた程に深刻な利上げハードルにはなっていない可能性もある。ただ、イエレンFRB議長もジャクソンホールの講演で「FOMCの関心は雇用市場のたるみの水準に移行」と明言しており、7月段階で62.9%と1月の63.0%から殆ど改善していない労働参加率が僅かでも改善を示すことができれば、「FOMC声明文の雇用に関する文言修正→利上げ開始」の時間軸を短縮させることが可能になる。

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