タイ輸出業者同士の戦いはどちらに軍配!? 上下波乱する東京商品取引所のゴム

 東京ゴムは下げる時も強烈なら上げる時も強烈だ。先限足で見ると3月17日の高値244円80銭から6月5日の安値190円30銭まで約55円下げたが、これを安値に反騰、26日には220円まで上昇し、安値からあっという間に30円切り返している。この上げ幅は前述の下げ幅約55円の半値戻り強に達しているが、そのキッカケとなったのはタイ輸出業者の強気への転換。

 それを表すように同筋は5月に続いて6月も納会で現受けしていると伝えられている。『5月限及び6月限納会での受け渡しは合わせて1,148枚あったが、強気のタイ輸出業者はそのうちの3割以上を受け切ったはず』(事情通)という。『6月限納会では商社が全体の受け渡しのほぼ半分を受け切った』(同)というから、6月限の納会値206円10銭は当然で、5月限納会値194円40銭を12円弱上回っている。

 市場はタイの輸出業者が強気に転じるとともに、上海ゴムが上昇したことから急速に強気へと傾斜し、安値を売り込んだ弱気筋の手仕舞(踏み)を一斉に誘った。それを裏付けるのが、東京商品取引所が発表しているカテゴリ別取組高だ。6月6日の非当業者のポジションは、売りが2万0,513枚に対し買いは3万0,847枚で取組高は3万6,409枚。

それが6月25日には売りが1万2,808枚で7,705枚減少、買いは2万7,305枚で3,542枚減少している。取組高も3万0,428枚で5,881枚減少しているので、今回の上昇で弱気筋がたまらず踏んだのに対して、強気筋は利食売り、ヤレヤレの売りに出ていることが判る。

 相場の格言に、『踏んだらしまい、投げたらしまい』とあるが、これは踏みが出尽したら天井、投げが終われば底という意味である。今回の踏みは総踏み上げとはいえないが、売り玉の40%弱が踏んでいることを思うと、仮に強気筋が東京ゴム先限を230円まで上昇させるには新規買い、つまり、買い進んで上値にトライするしかない。市場の背景に強材料があれば、それも難しくないが、現実には世界的に天然ゴム需給が過剰、タイの生産が本格的に増える時期にある。

しかも、東京商品取引所の在庫が2万トン弱あるなかで、無理に価格を吊り上げれば、そのトガメが出る恐れもある。要するに腕力で相場を吊り上げれば、タイから新たな荷を呼び出す可能性も無いとはいえず、東京市場の生ゴム需給を一層悪化させかねない。採算さえ合えば、売方に回ってまだ大量の実弾を手持ちしているタイの輸出業者がタイから積極的に現物を手当、他の輸出業者もそれにならうはずだ。

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