マーケットの総悲観が相場の流れを変えつつあるのかもしれない

マーケットとは天邪鬼なものである。高いと思うと下げ、安いと思うと上がることが珍しくない。

古いウォール街の格言に、「上昇相場は、総悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、総楽観の中で消えてゆく」という有名な句があるが、市場が弱気になればなるほど相場は上昇しやすくなり、逆に強気になればなるほど、相場は下げやすくなることを揶揄する名言である。そして、この格言を地でいっているのが今年の商品相場である。

今年の商品市場において、年初の時点でスタート・ダッシュするのではないかと思惑されていたのがプラチナ。1月から世界最大のプラチナ鉱山を抱える南アで鉱山ストとなったためだ。今年は極端なプラチナの供給不足になりそうだとの見方から先高感が広がったため、専門家らはこぞって強気のコメントを発した。更に、ジョンソンマッセイが4年続きの供給不足見通しを出したことも先高感を誘った。ところが、実際のプラチナ相場は、先高感が強くなればなるほど上値が重くなり、東京プラチナは5000円を突破することができない状況が続いている。参考までに、今年に入ってからの東京プラチナ先限は1月の高値4984円、3月の高値4963円でダブルトップを形成している。鉱山ストは賃上げの妥協にいまだ至らず、供給に対する不安感が底流しているが、いつかは労使交渉が妥結に至り生産が再開されるであろうため、そのあたりの見通しがマーケットに慎重な空気感を誘っていることは否定できない。

プラチナがそうであったように、先高感が今年強かったのが穀物である。大豆、トウモロコシ、小麦ともに、今年の穀物相場は場合によっては一昨年の2012年のような大型の上昇相場になるのではないかとの見方が広く誘われていた。今年の早いタイミングから、エルニーニョが発生しそうだとの観測が出ていたためだ。エルニーニョが発生すると、北米は干ばつとなるパターンとなるため大豆、トウモロコシが枯れて減産が想定される。更に、世界の穀倉地帯であるウクライナの政情不安で穀物輸出に支障が出るのではないかとの見方が広がったことも穀物に対する強気な見方を誘ったことは事実である。しかし、最新の米農務省(USDA)報告によると、今年の米国の穀物生産は、大豆、トウモロコシに高い単収予想もあって過去最高の豊作見通しとなっている。そのことが需給面での悲観的観測につながりファンドの売りが先行しやすい市況情勢を余儀なくされている。

ただし余談ながら、エルニーニョの発生とともに今年の北米が干ばつに見舞われるリスクはまだある。オーストラリア気象庁によると、今後数カ月間に太平洋・赤道域の海面温度が上昇するエルニーニョ現象の発生確率は依然70%あるとし、同庁が調査している気象モデルでは依然、南半球の春季までにエルニーニョが発生する公算が大きいという。更に、北米の干ばつモニターによると、コーンベルト地帯の一角であるミズーリ、アイオアの一部が高温・感想気味となっているため、今後の気温の状況にも注意を払いたいところである。

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