パラジウム価格高騰の真相

供給減少よりも需給インパクトの大きい項目

このため、新聞等のメディアでは専ら分かり易い供給サイドの動向ばかりが報道されがちになっている。しかし、実は今年のパラジウム市場では、需要環境の方にも劇的な変化が生じていることにも注目したい。それが、投資需要項目である。

貴金属投資の対象としては金、銀、プラチナなどが一般的であり、パラジウムは必ずしも一般的な投資先とは言えなかった。公式コインも金、銀、プラチナ貨はあってもパラジウム貨が提供されることは多くなく、地金商でも取り扱いも殆ど行われていない。仮に投資対象としてのパラジウムに魅力を感じたとしても、現実的にはパラジウム市場に投資するのは極めて困難だった。

しかし、「パラジウム上場投資信託(ETF)」が日本も含めた世界各地で上場される中、近年はパラジウムETFへの投資という形で、間接的にパラジウム現物を保有することが可能になっている。日本の場合だと、東京証券取引所に「純パラジウム上場信託<1543>」、「ETFSパラジウム上場投信<1675>」と、前者は2万6,000円、後者は8,000円前後から投資ができるようになっている(本稿執筆時点)。ちなみに、パラジウム1グラムは、5月26日の東京商品取引所(TOCOM)先物相場(当限)で2,687円となっている。

このパラジウムETFであるが、今年5月23日時点の世界パラジウムETF投資残高は、昨年末の216万4,822オンスに対して279万4,994オンスに達している。すなわち、既に年初からの累計で63万0,172オンスの投資需要を創出することに成功している。昨年もETF部門は28万2,779オンスの需要を創出しているが、地金等も含めた投資需要全体としては0.8万オンスの売り越し(=マイナス需要)だった。しかし、上述のJM社によると今年の投資需要は96.5万オンスまで成長する見通しであり、昨年との差し引きで97.3万オンスの需給引き締め効果が想定されている。

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