下値が見えにくいゴム相場 これから2万トンの在庫重圧表面化

 東京ゴム先限は3月17日の高値244円80銭からほぼ棒下げ、4月22日には全限200円大台を割った。その後、一時的に切り返したが、5月7日にはまたも急落して軒並み190円台に下落しており、市場の先安不安人気が強まっている。4月22日の196円70銭、5月7日の197円を下抜くのは時間の問題で、とりあえず180円がターゲットになりそうだ。

 東京ゴム先限は昨年12月16日の287円90銭から今年4月22日の196円70銭まで90円強下落したが、依然として底入れ感が出ない。原因は中国経済の減速、青島の保税区ゴム在庫36万トン台、上海市場のゴム在庫20万トン台乗せ、タイ政府の国家備蓄ゴム在庫21万トンの放出懸念、世界的な天然ゴム価格の下落などが重なったためだが、東京市場が200円大台割れを強いられた直接の原因は、東京商品取引所のゴム指定倉庫在庫が春から急増、2万トン弱の高水準まで増加したからだ。
 これほど在庫が急増した背景には、昨年からタイの強気グループが東京市場を買い上げ、これに対抗してタイの輸出業者が一斉に売り向かい、結果的にタイから東京市場に大量の現物を呼び込んだからだ。強気グループは昨年12月から今年4月まで5ヵ月間で推定1万7,000トン以上の現物を納会で受け切ったが、それが東京市場の6、7月限中心に売りヘッジしてあるとの見方が有力で、実際にその現物が還流された場合、果たして、誰が現受けするのか。目下のところ、中堅商社が多少受けるかも知れないが、それ以外には受け入れ先が無いのが現状だ。
 となると、あとは価格を下げて東京ゴムが“世界一安い”となれば、これは、新たな受けが発生する可能性もある。最終的には1万7,000トン以上の現物を国内で消費するのは無理であり、いずれは、中国に逆輸出して在庫を整理することになりそうだ。
 過去を振り返ると、東京商品取引所のゴム指定倉庫在庫は2012年5月10日に1万1,886トンに急増、2013年4月30日には1万4,079トンまで急増したことがあるが、そのたびに、東京ゴム先限は在庫の重圧で下落を強いられている。
 今回の在庫規模はほぼ2万トンと大きく、その重圧が6月限から表面化することになる。恐らく納会で大量の還流玉が出た場合、いわゆる“余り物に値なし”で、期近が値崩れし、一気に大きな順ザヤを形成するものと思われる。
 天然ゴムの世界最大の生産国であるタイでは、すでに水かけ祭り(4月13~16日)を終えて、ゴムは生産が増え始める季節に入っている。世界の天然ゴム需給が緩和するなかで、内外ともに先安不安を強め、安値を探し求めることになりそうだ。

タイの天然ゴム月別生産量
生産量
2013年1月 39.6
2月 23.0
3月 33.7
4月 29.4
5月 24.4
6月 29.4
7月 32.4
8月 37.0
9月 35.2
10月 39.8
11月 45.0
12月 45.2
合計 414.1

※単位:万トン。資料:国際ゴム研究会

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