ガス途絶リスク(ロシア―ウクライナ)

 ウクライナ、ロシア、米国、欧州連合(EU)による外相級の4者協議で、武装勢力の武装解除などで合意したものの、ウクライナ東部では親ロシア派勢力が行政庁舎などの占拠を続け、死亡者を出す銃撃戦が発生するなど、緊張状況が継続している。ウクライナ元・秘密警察長官と言われるトゥルチノフ大統領代行は、5月25日のウクライナ大統領選挙に向けた世論操作的な挑発に対して、プーチン大統領は、静観の構えを見せている。
 4月10日、プーチン大統領は、ウクライナは22億ドルのガス料金をまだ支払っておらず、天然ガス料金を先払いするよう要請する可能性があり、ウクライナを経由したロシア産ガスの欧州への供給も減少する恐れがあると警告した。これは、2009年1月19日付「2009‐2019年のガスプロム・ナフトガス間天然ガス契約」に基づくものだ。この契約によれば、ウクライナ(ナストガス社)による天然ガス代金支払いは、毎月(輸入月の翌月7日までに)行われること、支払いが滞った場合、前払い制に切り替えることができる事、これらが、いずれも不履行になった場合、露紙(ガスプロム社)は一方的に天然ガス供給を部分的・全面的に停止できることが明記されている。4月にプーチン大統領が発表した措置は、契約に則ったものであり、ウクライナによる代金未払いが始まった2013年11月以降、いつ発動されてもおかしくなかった。今後、実際の輸出停止に踏み切るか否かは不透明だが、過去2回(2006年・2009年)の「ロシア・ウクライナ・ガス紛争」を振り返って、今後の展望を考えてみたい。

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