金価格は反発するだろう

 金価格は反発するだろう。3月7日公表された米国雇用統計が農業就労者数の増加が17万5千人と市場予想の15万人よりも良かったため、18日から19日にかけて行われる連邦準備制度理事会(FRB)による公開市場委員会(FOMC)で金融緩和の縮小(Tapering)が再度行われるという思惑から金価格は、ニューヨークで▲13.6ドル(▲1.02%)、東京で▲59円(▲1.3%)下落した。しかしこれは想定の範囲内の、一時的なものであろう。
 それでは金価格が上がる要因があるのか。まず第一に、金価格は下げ終わったところであり、急上昇するかどうかはわからないが、もうこれ以上は下がらないだろうという雰囲気にあると言える。2011年9月6日の1923.7ドルを天井に2013年6月28日の1179.4ドルまで金価格は▲744.3ドル(▲38.69%)下落した。その後12月31日に1181.4ドルまで下落したが、6月の底値を割り込まなかった。ファンドの建玉は12月24日以来、1週を除いて10週間連続で買い上げられている。これは金価格が安値圏にあるという例証であろう。原油のネット買い残は過去最大になっており、それほどの出来事は無いので、下落する可能性が高いと思うが、金のネット買い残は、際立つほど多くはない。だから今後も買うともいえるし、売り閉じるともいえる。ある程度は、利益確定売りとなるものと思われ、その都度金価格は値下がりを繰り返すだろう。しかし、誰も買わずに下がり続けるという雰囲気ではない。

 最大の上げ要因は、ウクライナではなく、中国とインドである。中国は太陽光発電企業の利払いができなかった。これは序の口であり、2014年には大量の理財商品と地方政府の債務返済期限が到来する。うまく借り換えられるかどうかは政府次第となっており、政府にそうした余裕資金があるのかまたモラルハザードをどう処理するかは不透明である。ひょっとすると、中国政府は資金繰りのために米国債を大量売却して米国債が値下がりし、長期金利が値上がりし、ドル安、円高を引き起こす可能性もある。その他様々な理財商品償還支援が考えられる。(詳細は明日の弊社の経済指標に書くが)不透明な点も多い。こうした不安は海外の人々だけでなく、当事者である中国人が最も真剣に対処しているはずであり、上海株価は大幅に下落しており、銀行が頼りにならないとすれば実物資産ということになるだろう。そうした動きが鉄鋼石や銅地金を買わせているが、金も同様であると思われる。バブルが崩壊すれば企業の資金繰りの担保となっている鉄鉱石や銅地金は売却されるが、金はそのまま保有されるかもしれない。金はそのままで価値だからだ。中国バブルの崩壊は述べられて久しいが、2014年の満期償還が多いという点から今年は一つの山となる可能性がある。
 インドは、5月の総選挙前に2%から10%に引き上げられた金の輸入関税が引き下げられるかどうかに対する予測である。金の密輸入が横行し、インドからの金宝飾品の輸出が減少する中で、人気が落ちている与党がこのまま政策を維持するかどうかは疑問である。
 金は、米国景気が順調となれば、Taperingが意識されて、何度か下落を繰り返すかもしれないが、中期的には買いであろう。

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