地政学リスクは現在進行形(金買い継続)

2月の米雇用統計では失業率が6.7%と予想外に上昇したものの、非農業部門雇用者数が17万5000人増と事前予想(14万9000人増)を上回ったことでNY株高・円安ドル高で反応した。10年物米国債の利回りが1月22日以来の水準へ大きく上昇したことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の縮小が続くとの見方が確認され、日米当局の金融政策の方向性の違いが再び意識された。
ドル高・株高を受けてNY金は下落となったが、2014年以降の上昇に対する調整の範囲内の動きであり、200日移動平均線を上抜いて以降の押し目買い基調は継続だ。ドル円も米雇用統計直後に103.77円まで急伸したが、週明け東京早朝時間には102円台で取引を開始している。8日に発表された2月の中国の輸出が予想外の大幅減となったことが嫌気され、102円台となっている。さらに、マレーシア航空370便のボーイング777型機に対するテロ懸念もリスク回避の一因だ。
雇用時計で雇用増加や賃金上昇による所得環境改善が確認されたことから、3月18~19日のFOMCで引き続き100億ドルのQE3減額を決定する公算が大きいと思われるが、強気の雇用統計だけでリスクオンのドル買・NY金売りトレンド発生となる可能性は低いか?
プーチン大統領の「軍事演習中の部隊に基地への帰還を指示」との報を受けて、日本では「ウクライナ情勢は一服してマーケットに与える影響は限定的」との論調もあったが、欧米メディアの報道・論調を見る限り「ウクライナ問題に関する地政学リスク」は現在進行形の問題。認識の差は大きい。
米国は、ロシア・ウクライナの個人や企業を対象に、在米資産の凍結や渡航禁止などの制裁を発動。欧州連合(EU)も段階的な制裁を発表しており、ロシアもウクライナ向け天然ガスの供給を停止する可能性があることを示唆している。クリミア自治共和国が、ロシア編入の是非を問う住民投票を16日に実施する予定で、今後の行方が注目される。

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