天然ゴム生産国の「中国対策」が発動した

ASEANゴム業界評議会(ARBC)は12月5日、デフォルト(債務不履行)を起こした業者のブラックリストが完成したと発表した。これは、11月18~19日にタイ、インドネシア、マレーシアが、急落傾向にある天然ゴム相場への対応策を検討した際に浮上した議論が具体化したものである。

こうしたデフォルトを巡る議論は、他の商品市場では殆ど見らない。契約内容の履行は、法治国家であれば当然の義務となるためだ。しかし天然ゴム市場では、世界最大の天然ゴム消費国である中国系業者が、売買契約締結後の相場急落を嫌ってその後の売買履行を拒むことが頻繁に見受けられる異常な状態が続いている。そして、それがゴム相場のボラティリティを異常に高める一因になっている。

06年や08年、そして今年のゴム相場急落においても、中国系輸入業者のデフォルトが、必要以上に相場水準を押し下げた可能性が指摘されている。このため、市況対策の一環として、デフォルト要請に応じないこと、過去にデフォルトを起こした業者との取引を行わないこと、デフォルトを起こされた場合の訴訟支援などが、ARBCとして合意されている。事実上の、主要天然ゴム生産国による「中国対策」である。

今回合意したのは、タイ、インドネシア、マレーシアの他に、ベトナム、カンボジア、シンガポールの合計6カ国である。これは、天然ゴム輸出入市場のほぼ全量をカバーできる規模であり、合意内容が着実に順守されれば、少なくとも再びゴム相場が急落するリスクは著しく限定されるとみる。

これ以上の価格低下に対しては、最低輸出価格設定などの議論が浮上していること、東京市場で期先限月が減産期のピークに差し掛かっていることを考慮すれば、ゴム相場はボトム確認から戻りを試す展開が続くことになるだろう。

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