原油価格は弱含み

 NY原油価格は2月19日103.9ドルに達したが、その後2営業日下落しており、原油価格はこのまま下落すると思われる。ファンドの建玉は、過去5週間連続で増加しており、オプションと先物併せて42万枚のネット買い残(買い-売り)となっている。これは、過去最大の残高である。だからこそ買われ過ぎだという感じがするのだ。なぜならば、それほどの買い意欲をそそる材料が無いためである。
 原油が買われている理由の一つにオクラホマ州クッシングにおける原油在庫の減少があり、米国エネルギー情報局から先週発表された在庫量は、昨年10月以来の水準に低下しているが、これはクッシングから南部メキシコ湾地方への原油パイプラインが貫通して輸送されたためであり、需要が旺盛で原油在庫が減ったわけではなく、見かけ上の問題である。
 二番目に米国の寒波であるが、今週から来週にかけて再び気温が下がり平年以下となるという予報も出ているが、暖房油の出荷量はそれほど増えておらず、もっぱら天然ガスの利用量が増加している。
 世界に目を向けて南スーダンやシリアの供給不安は依然あるが、世界全体に占める割合があまりに小さすぎる。北米が日量140万バレルほどの供給増にあるのに対し、これらの国の生産障害はせいぜい日量20~30万バレルに過ぎない。
 OPECの最新資料によれば、2008年と2009年を例外として、過去25年間世界の原油需要は増加しているが、その大半は新興諸国によるものであったという。人口の増加と一人当たり収入の増加がその主因であり、これに対し先進国の省エネ技術の発展が原油需要を抑えている。世界の原油需要は昨年の2.9%から今年は3.5%増に伸びると思われるが、省エネ技術の進展と代替エネルギーへの転換も今後進むと思われるという。また中国のような新興諸国の経済は、これまでの工業依存経済からサービス依存経済に切り替わってくるし、大気汚染により、環境にやさしいエネルギー開発が進むと思われるという。
 要するに、原油の需要はそれほど伸びないにもかかわらず、北米からのシェールオイルやオイルサンドの生産が急増し、OPEC諸国が減産しなければ余ってしまう需給状況にあるということである。
 だから、原油価格は100ドルを大幅に超えて上昇するとは思いにくい。つまり、103ドル~105ドルがピークで下落する可能性がある。原油価格は何かの異変が無い限り弱含みだと思う。

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