中国預金準備率引き下げ、コモディティが急伸した理由

中国人民銀行(中央銀行)は11月30日、市中銀行に求める預金準備率の引き下げを決定した。12月5日から0.50%引き下げられることになる。この発表を受けて同日の主要商品相場は全面高の展開になり、特に貴金属、銅相場の急伸が目立った。そこで、こうしたコモディティ相場急伸の背景を読み解いてみよう。

中国の金融政策はこれまでインフレ抑制が至上命題とされており、引き締め的な政策対応が行われてきた。同国の消費者物価指数(CPI)は7月に前年同月比+6.5%を記録しており、10月には+5.5%まで伸びが鈍化したとは言え、厳しいインフレ環境には変化がないためだ。特に食品物価は二桁の伸び率を維持しており、流動性供給を抑制することで、インフレを沈静化させることが目指されてきた。

しかし、今秋以降の欧州債務問題を巡るリスク投資環境の悪化、そして、経済協力開発機構(OECD)が12年の日米欧経済がマイナス成長に陥るリスクまでも指摘する景気の先行き不透明感に包まれる中、中国の金融政策も修正を余儀なくされている。

既に10月時点で温家宝首相が、金融緩和の「微調整」を行う可能性を示唆していたため、今回の預金準備率引き下げは規定路線とも言える。しかし、ここにきて中国経済指標の鈍化が目立ち始める中、いよいよインフレ抑制から景気支援に金融政策の軸足がシフトしたことを象徴する動きと言える。ちなみに、預金準備率の引き下げは08年12月以来のことになる。

このような中国の金融政策が転換を迫られていることは、中国経済に対してポジティブ要因になる。中国における融資拡大で景気刺激が本格化する中、先進国に続いて中国経済が大幅に鈍化するリスクは後退したと評価されている。これが、銅、原油、ゴム、穀物などの幅広いコモディティ市場に買いが入った直接的な要因である。

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