実勢悪を再認識し始めた原油相場

 NY原油は100ドルの大台割れを果たした後、急落を強いられ、24日には一時96ドル割れを演じ、4カ月振りの安値を付けるなど、地合いを急速に悪化させている。
 もともと、米国の石油需給環境が悪化していた中、米財政リスクを巡る思惑とNYダウの急伸を材料に高止まりしていたものの、その修正安がようやく表面化した結果であり、実勢悪を背景にして100ドルを大きく下回る動きも当然といえる。
 米国はガソリンの需要最盛期を過ぎて、不需要期に入っている。そのため、製油所の定期修理も本格化しているが、時期的に原油の在庫は増加傾向をみせる。実際、原油在庫は4週連続で急増し、今年6月以来の高水準である。定期修理の影響でガソリン在庫は減少しているものの、それでも年初に比べると4%近くも増加している。
 一方、石油需要はここにきて大幅に落ち込んでいる。米国での政府機能の一部閉鎖が影響したのは明らかで、経済活動の停止による需要減も表面化している。石油供給はこの時期として10年振りの高い水準ながら、需要はさっぱりである。こうした供給過剰を背景にして、下げるべくして下落している。
 ところで、政府機能が回復しているものの、年末から年初にかけて再び米財政リスク懸念が再燃することも予想され、米国では公務員を中心に消費を手控える状況にあるという。従って、石油需要の回復もままならないとみる。
 NY原油とは対照的にスプレッドの買いを材料に高止まりしていた北海ブレントも実勢悪を認識して急落している。米国での供給増もあり、石油輸出の後退が懸念され、さらには中東の増産傾向も圧迫要因になっている。サウジの原油生産は30年振りの高い水準であり、リビアとイラクも増産体制をみせている。こうした中、ブレントも値崩れを始めた。
 NY原油、北海ブレントとも実力以上の値位置にあった反動で下落しているが、まだまだ下げ足りないとみるべきである。

NY原油12月200日平均線

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