プラチナ価格は反応薄だが、本来なら高騰しても不思議ではない状況

 プラチナ価格はもっと上がっても良いと思っているが、市場が活性化していないせいか、」ななか上昇しない。9月27日から世界最大のプラチナ鉱山Anglo American Platinum (Amplats)社で3300人の人員削減に反対してAssociation of Mineworker and Construction(AMCU)という新興組合がストライキに入っていた。同社は春に1万2000人の合理化案を出したが、南アフリカ政府の仲裁もあり、4000人規模の合理化を行おうとしていたが、結局このストライキにより、1336人まで減らして先週金曜日の4月11日妥結した。同社はこれにより一日3100オンス(96キロ)のプラチナ生産が喪失し、合計44000オンス(約1.37トン)が今年の生産量からプラチナ生産から無くなったと述べている。

 2012年のプラチナ生産量は、175.4トンであり、需要は250.2トンだが、リサイクルによって賄われる量が63.1トンなので、ネット需要は187.1トン、従って、2012年は11.7トンの供給不足であった。175.4トンの総生産量のうち南アの生産量は127.4トン、72.6%に相当する。
 
 つまり、2週間のストライキによって減少した供給量1.37トンは、南アの昨年の生産量127.4トンの1%であり、今年は、各社とも生産を削減する見込なので、世界のプラチナ需給は2年連続で供給不足になると思われる。
 
 需要は、自動車用触媒需要が4割を占めているが、これは各国の自動車需要が落ち込んだためであり、その後米国や日本の自動車需要は回復しており、最もディーゼル車比率の多い欧州は、Bank Of America Merrill Lynchのファンドマネージャー239人に対するアンケート調査では、3ヶ月連続して欧州の景気は回復し、欧州株式投資を増やすという資産運用者が多くなっている。8月の調査では17%のファンドマネージャーがユーロ圏をオーバーウェイトにすると答えていたものが、9月には36%と倍増している。
 
 中国では北京市が排気ガス規制を行っていたが、9月から中国政府も排気ガス規制に乗り出し、PM2.5の排出量を制限する政策を打ち出した。このため中国のプラチナ輸入量が増加しており、8月までの輸入通関統計では昨年を23%増える見込となっている。もともと中国は宝飾品向けにプラチナ輸入を毎年増やしており、昨年は世界一のプラチナ輸入国になっているが、その84%は宝飾品向けで、自動車触媒向けはわずか5%しかない。欧米や日本ではプラチナ輸入の半分以上が自動車触媒向けであることを考えると、今後中国のプラチナ輸入量は飛躍的に増加するものと思われる。
 
 そうした新たな需要があるとしても、供給には限りがあり、作ろうにも作れないのが貴金属の宿命である。
 
 本来なら、プラチナ価格は9月末のストライキが起きた時にスカイロケットで価格が上昇していてもおかしくない状況であった。しかし、東京商品取引所が世界で一番プラチナの先物取引が多い取引所であり、そこの価格がそれほど動かねば、NYも追随しようがない。
 しかし、いずれ、プラチナは不足し、ファンドが目を付けて購入することになり、価格は高騰するのではないかと思っている。

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