戻り売り基調に転じる原油相場、イラン大統領の訪米に注目

 シリアの化学兵器を国際管理の下に置き、廃棄を進めることに関して、米ロが合意に達したことで、中東情勢を巡る地政学的リスクは大きく後退し、NY原油や北海ブレントは急落する場面をみせている。その後、米量的緩和政策を維持する米FOMC声明に動意を示し、一時急反発した石油市場も、ロンハニ・イラン大統領が核兵器開発に対する否定的な見解を指摘したことで、改めて大きく売り直されている。
 就任当初から欧米との対話を重視する意向を示していたロンハニ大統領だったが、22日の訪米、24日の国連での演説を前にして、改めて穏健な路線であることが認識され、中東情勢の一段のリスク後退を印象付ける結果となっている。
 訪米中に、予定にはないオバマ・米大統領との会談も噂されており、もし実現すれば、イラン革命以来、初めての首脳会談となることから、石油市場に与える影響も大きいとみられ、引き続き、中東情勢を巡る動きから目が離せない。
 ところで、世界的にはこれから石油の需要期を迎える。安定的な石油の供給が望ましい時期に入るが、ここにきてストライキで原油生産を停止していたリビア西部の油田が操業を再開している。リビアの供給不安が特に欧州の需給バランスの不安定要因になるとみられていただけに、操業再開によって不安要素がまたひとつ、取り除かれた意味は大きく、石油市場、特に北海ブレントの上値を抑制することになるとみられる。
 米国ではこれから不需要期を迎える。今年8月の米国の石油需要は好調に映っていたが、米API(石油協会)による8月の米石油需要は前年同月比0.7%減の日量平均1922万6000バレルで、8月の水準としては4年振りの低水準になるなど、需要の盛り上がりはイマイチだった。ガソリン需要は同0.9%減の日量905万4000バレルで、2000年以降では3番目に低い水準となっている。今後の需要後退も意識されれば、NY石油市場も戻り売り基調をみせることになると考えられる。

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