金価格が反発している理由を検証する

内外の金相場が戻り歩調を形成している。COMEX金先物相場は、6月28日の1オンス=1,179.40ドルをボトムに、既に2ヶ月近くにわたって戻り歩調を形成しており、1,400ドルの節目回復も視界に入り始めている。TOCOMの金先物相場も、6月28日の1グラム=3,750円をボトムに、4,400円台まで切り返しており、「金価格のダウントレンドは終わった」といった議論も多く見掛けるようになっている。

米債券市場では、9月の債券購入縮小を見据えて金利上昇圧力が強くなっており、本来であれば、少なくともドル建て金価格は下落して然るべき相場環境とも言える。米10年債利回りは7月末の2.6%水準に対して2.8~2.9%水準まで急伸しており、無金利資産である金相場に対しては強力な逆風になるためだ。

では、なぜ金価格は米金利上昇に逆行する形で戻り歩調を維持しているのだろうか。

米金利上昇局面でのドル安

一つ目の理由は、「米金利上昇→ドル高」のロジックが成立していないことだ。確かに、米債券購入の縮小議論は新興国市場からの資金流出傾向を加速させており、対新興国通貨ではドル高基調が確立している。ドル/円相場も強含みに推移しており、ドル高圧力が強くなっていることは間違いない。ただ、対ユーロに関しては寧ろドル安圧力が強いのが現状であり、これが「米金利上昇→ドル高→ドル建て金価格下落」のフローにブレーキを掛けている。

ドル相場に追い風が吹いていることは間違いないが、為替市場ではそれ以上にユーロ圏経済の回復傾向・見通しが材料視されていることで、「ユーロ>ドル」のパワーバランスになっているのが現状である。対ユーロが最大の構成通貨になっているドルインデックスは、逆に6月中旬以来の安値を更新しており、米金利上昇局面におけるドル安が、金利上昇のネガティブ効果を吸収している。

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