実勢悪でも上昇をみせるNY原油

 NY原油は3週間振りの高値を示現しているが、これといった支援材料は見当たらず、金融緩和によってもたらさせたファンド資金の余剰資金が行き場を求めて原油市場に集まっており、それが需給バランスを無視した上昇相場を演出していると考えられる。
 CFTCが週末に発表する取組内訳を参考にすると、6月4日現在のNY原油の取組高は174万0663枚で、昨年末の147万3345枚から急増している。対照的にNY金の取組高は6月4日現在、37万3061枚と昨年末の42万7991枚から減少している。
 商品市場において、原油・石油製品のファンダメンタルズは特別良いというわけでもなく、ファンダメンタルズは悪化を続けているといえる。実勢悪で急落している金のファンダメンタルズ面では遜色ないが、NYダウの長期的な上昇トレンドに乗っかる格好で原油が買い支えられていると理解している。
 米EIAが発表した石油在庫統計で、原油・ガソリン在庫は増加しており、いずれも高水準の在庫を維持している。一方で石油需要は低迷しており、再び日量平均で1800万バレルの大台を下回っている。ドライブシーズンのこの時期の1800万バレル割れは極めて異例であり、石油需要の長期低迷にますます拍車がかかったといえる。
 潤沢な供給と低調な需要からいつNY原油が90ドルを大きく下回ってもおかしきはないとみられるが、ファンド資金の受け皿になっているため、いびつな相場つきを形成し続けており、需給バランスとのギャップが拡大している。
 NY原油のチャートをみると、97ドル台半ばが壁になっている。95ドルを挟んだ逆張りの動きを続けているとみるが、97ドル台半ばの壁を突破すると、7月4日の米独立記念日以降の石油需要拡大を期待した思惑買いに100ドルを意識する展開も予想される。
 ただし、97ドル台がまた壁になれば、200日移動平均線を挟む逆張りの動きを継続するとみられ、再び95ドル以下を試すと考えられる。

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