金価格上昇のきっかけは何か?

 トレンドを狙った投資を行う人は、昨年末からの半年間は楽だったと思う。株価は右肩上がりに上がり、少々出遅れて入っても上昇気流に乗れたであろう。為替はドル高と思っていれば間違いなかった。円も豪ドルも安くなる方に賭けていれば良かっただろう。金の場合、昨年暮れから安くなる兆候があり、一直線に下落している。この間金を売っていれば、少しの波はあっても一貫して利益が出ていたはずである。
 しかし、ここに来てそうした一定方向の流れは止まったようだ。日経平均株価は1月4日の10,688円から5月24日の15,627円まで4,939円上昇して、その後6月8日の12,878円まで▲2,749円下落している。上昇分の56%でほぼ半返しである。ドル円は、1月4日の88.12円から5月17日まで103.18円まで15.06円の円安となり、その後6月7日には97.53円と5.65円の円高となり、38%の戻りである。
 上がったものは下がるが、その後がどうなるかはトレンドが消えた後ではわかりにくい。そうした状況が今である。金価格については、ファンドの売りが未だ10万枚以上残っている。5月末の11万枚よりは少し減りその間にNY金価格は少し高くなった。金価格とファンドの建玉との相関関係は高いので、ファンドが10万枚を買い戻せば金価格は上がると思われる。しかし、その時期は不透明である。
 FRBが金融緩和を早期に解除する気配が見えれば金価格は下がる。先週金曜日の▲32.7ドルの下げは労働指標が改善したため、早期解除の気配が強まったため金が売られた。今後もFRBの早期解除の情報は米国の景気回復指標が出るたびに現れるであろう。しかし、1,400ドルを切った金価格が更に一層下がるというニュアンスはもう無く、インドや中国で安くなった金を買いあさっているというニュースで強気になる人も多いだろう。少し価格が上昇すれば、ファンドの売り残の買い閉じが出る。従って、どちらかと言えば金価格は底に近いだろう。
 だが、反発するかもしれないが急騰はないような雰囲気である。インフレには余りに遠い。欧州は金融危機は忘れたかのようである。一時騒がれた銀行同盟等欧州統一に向けての進展は見られない。ギリシャの10年国債利回りは6月10日時点で9.552%であるが、スペインは4.559%、イタリアは4.220%、ポルトガルは4.012%、アイルランドは3.472%であり、信用が目立って悪い国はない。問題は、中国であり、短期金利が先週急騰した。これは金融機関の信用不安の問題で、多くの金融機関がババをつかまないように警戒を始めている証左だ。社会主義の中でどのようにこうした危機を回避するのかは見ものであるが、今後中国経済からは目を離せない。そして、それこそが金価格上昇のきっかけを作るかもしれない。中国人は争って資産を金に移すだろう。

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