金ETF売却と中央銀行買いのパワーバランス

金上場投資信託(ETF)市場における売却圧力に歯止めが掛からない。先週23日の日経平均株価急落をきっかけにリスクマーケット全体の地合が不安定化する中、定期市場ではファンド売りの動きが一服していることが、下値切り下げ傾向に一定のブレーキを掛けている。しかし、ETF売りの動きには一向に変化が見られず、金市場からの資金流出傾向にブレーキが掛かったと評価するのは難しい状況にある。

世界の金ETF市場では、先週1週間だけで39.87トンの売却が行われており、5月累計の売却量は24日時点で117.45トンに達している。4月の174.00トンを上回る可能性は低いものの、大量売却傾向そのものには変化が見られない。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の1~3月期需給報告では、金ETFという金現物とのリンクが弱い金投資から、金保管口座を利用したより直接的な金現物投資にシフトしたとの報告もある。ETF解約で金現物を引き出す動きなども報告されており、金投資需要全体というカテゴリーでは見掛けの数値程には需要が落ち込んでいない可能性もある。

ただ、年初からの金ETF売却量は累計で既に473.53トンに達している。このため、昨年の年間需要279.0トンとの差し引きでは、仮に金ETF売却が今後は行われないと仮定しても、752.53トンもの需給緩和圧力が発生する計算になる。これを現物投資需要の拡大で相殺できると考えるのは現実的ではないだろう。

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