色々な意味で失望感が強いアムプラッツのリストラ策

南アフリカの白金生産最大手アングロ・アメリカン・プラチナ(アムプラッツ)の最終的なリストラ計画が固まった。昨年の大規模ストライキなどによる経営環境の悪化を受けて昨年に赤字決算を迫られる中、同社は今年1月に採算性の低いシャフト閉鎖と1万4,000人の人員削減を柱としたリストラ計画を発表して、経営再建に取り組む強い意思を示していた。

しかし、南アフリカ鉱物資源省や労働組合が直ちに反発の声を上げたことで、同計画は実行に移すことができない状況となり、これまで3ヶ月以上の長期にわたって交渉が行われていた。当初は3月末までを期限とした交渉は4月末まで延長され、更に5月6日に最終期限が設定されたが、結果的には正式なリストラ案が発表されたのは5月10日となっている。本来は人員削減幅を圧縮するような余裕はなかったはずだが、雇用を重視する現政権の意向と、恐々姿勢を強める労組の反発姿勢を前に、経営サイドが腰砕けになった形である。

このリストラ策は、同業他社もリストラ策強化で追随するか否かを見極める試金石として注目していた。しかし、最大手のアムプラッツでさえもリストラ策の実施が難しいことが確認される中、目先は南アフリカ全体における生産調整のリスクは軽減されることになる。少なくとも、アムプラッツを先行事例に採算性の低い鉱区閉鎖とそれに伴う人員削減を強力に押し進めるシナリオは後退している。

もっとも、これは不採算鉱区を多く抱えた状態が今後も維持されることを意味し、白金供給環境は短期の減産リスクを回避する代償として、今後も中長期にわたって生産低迷が続く大きなリスクを抱えたことになる。しかも、強硬派の鉱山労働者・建設組合(AMCU)はこのリストラ策にさえも強い不満を示しており、ストライキなどで条件闘争を仕掛ける意向を示している。

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