不透明な世界景気

 株価は上昇傾向にあるが、世界の景気が本当に良いわけではない。
米国の景気は回復局面にあるとは思われるものの、過去7回の景気後退後の回復期3年間の平均成長率は4.2%であったが、m2009年6月意向は2.2%とほぼ半分である。過去の不況より、サブプライムローン不況は、家計や企業そして銀行のすべてのバランスシートを直撃した特異性から説明することは可能だが、やはり、米国の潜在成長率が低下していることを無視するわけにはいかない。

 米サプライ管理協会(ISM) が1日発表した3月の米製造業景況指数は51.3と、前月の54.2から低下。4ヶ月ぶりに前月から悪化し、市場予想(ロイター通信調べ)も下回った。

 また欧州では、27日公表された欧州の3月の景況感指数は前月の91.1から90.0に1.1ポイント低下し、エコノミスト予想の90.4をも下回った。INGのエコノミストは「危機的なムードや不透明感が舞い戻ってきている」と述べ、リセッション脱却が長い道のりとなることを示されたと評している。

 中国は、1日中国国家統計局が公表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.9となり、11ヶ月ぶりの高水準を記録したが予想の52.0は下回った。5ヶ月ぶりの低水準だった前月の50.1からは上昇した。しかし背後には不動産バブルや地方自治体の過剰投資問題を抱えており、新指導層は「開発投資・輸出型」から「内需安定成長型」への移行を目指しているが、その際の成長下振れリスクくを多くのエコノミストが指摘している。

 英国FTSE株価が年初から2割、日経平均が15%上昇しているのに比べ、上海株価は7.1%で、香港ハンセン指数は▲4.4%と落ち込んでいる。同様にBRICs諸国の株価は年初からロシアが▲4.7%、インドが▲4.8%、ブラジルは▲9.9%下落している。

 金融緩和で余剰になった資金は先進国の債権市場は実質金利がマイナスとなる中で、モンゴル、ベラルーシ、ザンビア、グルジア、ボリビア、ザンビア、パラグアイ、モンテネグロといった新興国債券の購入に3兆ドルもの資金が流入し、現在の発行残高4.9兆ドルが急膨張している。米国ではジャンク・ボンド市場が再び勢いを増しており、第1四半期の起債額は970億ドルと過去最高であった昨年第4四半期の1070億ドルに迫っている。

 そうしたハイリスクな債券投資に比べれば、商品投資は値下がりリスクだけであり、信用リスクは無いだけ安心だとも言える。

 ゴールドマン・サックスは、28日、商品に対する短期的な投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。銅、原油、大豆など多くの商品相場が、既に同社の短期的な目標水準に達したことを理由に挙げた。一方、今後12カ月間については「オーバーウエート」に据え置き、リターンは10%になると予想した。同社は顧客向けノートで、「中東の緊張が高まる以外、目先については買い材料がほとんど見当たらないことから、マクロ環境は今年第2四半期に軟化する公算が大きい」と指摘した。同社はまた、2012年の金価格見通しを据え置いた。内訳は、3ヶ月先がオンス当たり1785ドル、6ヶ月先が1840ドル、12ヶ月先が1940ドルとしている。

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