貴金属ETF市場の資金流出入状況から見えてくること

今年の貴金属市場では、金上場投資信託(ETF)市場における換金売り圧力が話題になっている。3月11日時点で世界の金ETF残高を見ると、昨年末から累計152.01トンもの減少になっている。昨年の金ETF投資需要は年間279.0トンだったため、差し引きすると431.01トンもの需給緩和圧力が働いている計算になる。年間新産金が2,847.7トン(昨年実績)の金需給においては無視できない数値であり、これが需給面から金相場を大きく下押しした一因になっている。

一方、他貴金属のETFであるが、こちらは逆に投資需要を着実に拡大させている。年初からの投資需要拡大分を数量ベースでみると、銀が+731.97トン、白金が+4.87トン、パラジムが+9.56トンとなっている。市場規模が異なるので、昨年末からのパーセント表示に直すと、金が-5.8%、銀が+3.9%、白金が+10.5%、パラジウムが+16.6%となっており、特に白金系貴金属(PGM)のETF投資が活発化していることが明確に確認できる。

金ETFに関しては、米金融緩和政策の早期縮小・停止・出口を巡る思惑に加えて、株式市場のパフォーマンス改善を受けて、資金流出傾向が加速している。しかし、銀やPGMのETFは逆に投機資金の流入を実現しているのだ。

2月の貴金属相場は、金価格に連動していずれも急落地合を形成している。しかし、この貴金属ETFの資金流出入動向は、各マーケットの地合の違いを明確に物がっているデータと考えている。実際、3月入りしてから金相場の急落が一服後に、いち早く地合を引き締めたのはパラジウム相場である。それに続いて白金相場も安値是正に向かったことで、PGM相場の地合の強さが再確認されている。

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